現代の住宅は筋違や
構造用合板で地震や強風に耐えるように造られています。
この筋化や合板の量によって家の強さは左右されます。
家を固めることで揺れに対抗しているので剛構造です。
一方、昔の家、建築基準法が制定される前の家は土壁や
貫といった水平部材で家が造られています。
こちらが柱を通して取り付けられている「貫」と言われる
部材です。
筋違のように斜めにツッパリをしているわけではありません
からある程度の遊びがありますが、木材同士のめり込みで
横からの力に対抗しています。
この貫がほぼすべての壁に取り付けられています。
柱との交点は多数に及ぶのでかなり抵抗してくれます。
こちらは土壁と同じ性質を持った荒壁パネルです。
伝統工法の耐震補強に使われます。
地震などにより家が傾くとき柱と梁と土台に囲まれた四角い枠
は平行四辺形のように歪みます。
その時の土台(床)と梁(天井)のずれが傾きになります。
現代建てられている家、在来工法の家ではこの傾きが1/30
(3mの高さのところで横に10㎝)以上傾くと筋違や合板は
破断するとされています。
壊れてしまうことになります。
一方、伝統工法の土壁や貫は1/15(3mの位置で20センチ)
までは壊れないとされています。
そこまで家が傾いても倒壊しないということです。
ですから、伝統工法の家ではそこまで傾かないように土壁と
同じ性質を持ったパネルやダンパーを使って耐震補強をして
います。
揺れはしますが倒壊しにくい家です。