在来と伝統の違い 筋違や合板と貫や土壁 | 奈良県古民家再生協会ブログ

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現代の住宅は筋違や

構造用合板で地震や強風に耐えるように造られています。

この筋化や合板の量によって家の強さは左右されます。

家を固めることで揺れに対抗しているので剛構造です。

一方、昔の家、建築基準法が制定される前の家は土壁や

貫といった水平部材で家が造られています。

こちらが柱を通して取り付けられている「貫」と言われる

部材です。

筋違のように斜めにツッパリをしているわけではありません

からある程度の遊びがありますが、木材同士のめり込みで

横からの力に対抗しています。

この貫がほぼすべての壁に取り付けられています。

柱との交点は多数に及ぶのでかなり抵抗してくれます。

こちらは土壁と同じ性質を持った荒壁パネルです。

伝統工法の耐震補強に使われます。

 

地震などにより家が傾くとき柱と梁と土台に囲まれた四角い枠

は平行四辺形のように歪みます。

その時の土台(床)と梁(天井)のずれが傾きになります。

現代建てられている家、在来工法の家ではこの傾きが1/30

(3mの高さのところで横に10㎝)以上傾くと筋違や合板は

破断するとされています。

壊れてしまうことになります。

一方、伝統工法の土壁や貫は1/15(3mの位置で20センチ)

までは壊れないとされています。

そこまで家が傾いても倒壊しないということです。

ですから、伝統工法の家ではそこまで傾かないように土壁と

同じ性質を持ったパネルやダンパーを使って耐震補強をして

います。

揺れはしますが倒壊しにくい家です。