スサンタでーす^^
先日、東大寺ミュージアムへ行ってきました~。
そこで公開されていた千手観音菩薩立像が、
スゴイ!!
東大寺総合文化センター内
東大寺ミュージアムで、10月10日から公開されています。
今回は番外編ということで、
素人の私が、千手観音菩薩立像についてリサーチしていきます!
まず、千手観音立像は全国にたくさんあり、
例・館山市の那古寺、南房市の真野寺(仮面をつけている珍しい)
山口県の普慶寺(銅像)、少し調べただけで山ほどでてきました。
いろろな千手観音さまを見ていて、素人の私は思いました、
そもそも、千手観音って何故たくさんの手があるの?
調べてみました~。
まず、千手観音菩薩とは梵名「サハスラブジャ」、サハスラ=千本の、ブジャ=手
古代インドの神をもとに発展、存在が信仰されるようになり、
中国にも像が見られるそうです。
実際に千本の手を取り付けた例は稀で、
一般的には肘から先が四十二本取り付けられていることが多く、
東大寺のそれも42本となっています。
千の手・千の目を持つとも言われ、その力の及ぶ範囲が広大で全てを見通していることを
表現しています。
また、持物は経典で定められ、それぞれに意味があります。
興味のある方は是非お調べください~おもしろいです。
それぞれの手が、病気から衣食住の不安から人間関係から、
あらゆる苦しみから救ってくれることを意味しています。
その手が
千本ですので、どんな悩みも取り去ってくれる最強?の観音さまです。
東大寺の千手観音菩薩立像さま(重要文化財、平安時代)は、
四月堂(三昧堂)にご本尊として安置されていたのが、
内部改修工事のため2013年5月21日より拝観停止されていました。
その際、同像も保存修理事業が行われ、
2013年10月10日より東大寺ミュージアムのご本尊として
再び拝観できるようになりました。
四月堂に新たにご本尊として迎えられたのが
こちらの千手観音さま

木造で、2・66メートルの長身。
どっしりとした立ち姿、かなり迫力、存在感があります。。
唐風美人風のふくよかな丸顔、と説明にあります。
何が起きてもどっしり構えて助言してくださいそうなかんじですよ。
・千手観音の造形についての考察
もちろん仏師の方が塑像されてるのですが、
もし御自分で42本もの腕がついた像をつくるとしたら、と想像してみてください。
42本もつくることがまず私には無理、それだけでもいったい何年かかることやら
と思うのですが、仮にそれをクリアしたとして、
全体としての像をみたときに、
42本もの腕と全身とのバランス
に悩まされることになると思うわけです。
それだけの密度、重さ、強さが「背景」にあるわけですよね。
しかしあくまで主体は観音さま本体?であるお体の方。
手や持物に比重が傾いては困るのです。
それでこの時代に多く見られるのが、
・すっきりと美しく造る手法。
で、是非見ていただきたいのが
こちらの福井県の文化財を閲覧できるページ。
高成寺の千手観音像をお写真で見ることが出来ます。
美術的観点から見ると、
持物、腕などが後補であることが大きいとは思いますが、
主は完全に観音さま本体で、四十二臂は従であると分かるかと思います。
どちらかといえば静かな表情、たっぷりと穏やかな体つきが
魅力的な観音様ですよね。
主従関係がはっきりしていると、その分シンプルにすっきりと見えるのです。
そしてもう一度東大寺の千手観音様を見てください。
左右に立っていらっしゃるのは日光菩薩さまと月光菩薩さま。
両像とも、やはりすっきりと静かな佇まいが非常に美しく魅力的であります。
に比べて。。
やはりこちらの千手観音さまは、すっきりとしたというのではなくて、
全体に見所がたくさんあり、なにか迫り来るようなパワーがあります。
静かというよりは、力強い感じです。
その違いは、明らかに他の千手観音と一線を画しており、
つまり東大寺の千手観音さまは、
すごく変わっている
らしい
ことが分かってきました。
・当時の仏像が整った美しさを大切にする作風なのに対し、
東大寺の千手観音像は
「整美」と「不整美」の混融が、
堂々と迫り来るような力強さを生み出し、
不恰好でアンバランス、混沌のせめぎあいによる調和が表現されている
と言えます。
この観音像の主は、像全体であるということに成功しているのです。
本体前の腕と同じ太さの背後から伸びる腕、そして持物がしっかりとつくられていることにより、そことのバランスを保つため、観音様本体を、
より、ふくよかでパワーのある存在として作る必要があったと考えます。
もちろんそれは、人々を力強く救ってくれる最強?の観音さまとして表そう、という動機からきている表現であるのだと思います。
それぞれ、かなり見ごたえのある腕になっていますし、
そんな観点から見ても、楽しかったですよ♪
皆さんもたまには、仏師になったつもりで色んな像を見られても、
より一層魅力的な面を感じることができるかもしれませんね

以上、最後までお読みくださりありがとうございます。
スサンタでした
