障害者になった時

 

ああ…もう恋愛はできないんだろうなあ…

 

そう思っていた

 

 

国立リハビリテーション病院へ転院した時

 

”障害者なんて恋愛できない…”

 

感傷的になっていた僕の考えを

 

吹き飛ばす出会いがあった

 

 

そいつの名前は”まさや”

 

年齢は僕と同い年で

 

胸椎損傷の障害を負っていた

 

まさやとの出会いはTwitterだった

 

当時、まさやは職業訓練センターへ入所していて

 

僕が国リハへ転院したときに

 

初めて顔を合わせた

 

第一印象は、チャラいなあという感じで

 

でも笑顔が多くていい感じのやつだった

 

 

そんなまさやはしょっちゅう病院へ顔を出していた

 

初めの頃は

 

すごく僕を気にかけてくれてると思っていたし

 

入院生活は暇だったため

 

嬉しかった

 

だけど、それは僕の勘違いで

 

僕はただのおまけに過ぎなかった

 

まさやが病院へしょっちゅう顔を出していた本当の理由は

 

ある女の子に会うためだった

 

 

その女の子の名前は”来夢ちゃん”

 

来夢ちゃんも足が悪く障害があった

 

第一印象は、ピンク色が大好きで

 

殺伐としている病院の空気を変えてくれるような明るい女の子だった

 

正直、かわいい…

 

 

まさやは来夢ちゃんにゾッコンだった

 

毎日のように病院へ来ては

 

来夢ちゃんにデレデレしたり

 

時には来夢ちゃんを病院から連れ出しデートをしていた

 

まさやは、とにかく来夢ちゃんに振り向いてもらうために必死だった

 

そんなまさやの熱い想いは届き

 

やがて2人は結ばれ結婚をした

 

 

そんなまさやの行動力は

 

僕の価値観を大きく変えてくれた

 

 

僕は障害者なんて恋愛はできないと思っていたし

 

障害者が恋愛をできるとしても

 

「障害者+健常者」

 

しか選択肢はないと思っていた

 

むしろそう思っている人は少なからず他にもいると思う

 

だけど

 

そんな常識を覆すように

 

恋愛に障害者も健常者も関係ないと

 

まさやは証明してみせた

 

 

恋愛に限らず

 

障害者と健常者の間には壁があると言われているが

 

結局はその壁を作ってしまっているのは

 

障害者自身の方かもしれない

 

健常者の頃にできていたことが

 

障害によって生まれたハンデを言い訳に

 

”どうせできない…”

 

そう思い込んでしまうことが

 

壁を作ってしまう大きな要因なんだろう

 

その壁を壊すのは容易ではないけど

 

本当に手に入れたい物があるのなら

 

”できない…”

 

から入るのではなく

 

”やってやる!”

 

と挑戦することが大事なんだと

 

まさやは僕に教えてくれた

 

 

 

まさやと来夢ちゃんの結婚式ムービー

 

 

 

国リハへ転院した日