僕は横森さんに会いにいくことにした
浅川くんもお世話になった人に久しぶりに会いたいということで
一緒に行くことになった
山梨には新幹線がないため
東京の立川から
特急列車で向かった
2時間ほど電車に揺られ
無事に山梨の石和温泉駅に着いた
山梨へ帰って来るのはあのデリヘル事件以来だった
駅から病院へはそれほど遠くないため
車椅子を漕いで行った
病院へ着くと
腐っていた時期の僕を思い出した
あの頃の自分を思い出すと今でも恥ずかしくなる
あの時
向井さんに出会っていなければ
今の僕はいなかったし
この病院は
僕が障害者としての人生の始まりの場所であって
腐りかけの僕が変われた場所
いろいろな思い出が詰まった
特別な場所だった
僕「懐かしいな〜」
浅川くん「そうだね!」
僕「ねえ、リハ室行こうよ!」
浅川くん「挨拶しにいくか!」
リハ室へ行くと
みんなが口を揃えて
”大人になったね”
と、言ってくれた
素直に嬉しかった反面
当時の僕がクソガキだったんだなと
改めて思い、なんともいえない複雑な心境だった…
その後もお世話になった病棟へ挨拶に行き
懐かしい思いに浸りながら
病院の中をぐるぐる回った
そして
横森さんの元へ会いに行った
横森さんに会うのは中学の時ぶりだったため
すごく緊張した
部屋へ案内され
部屋へ入ると、
あの頃と変わらない先輩がいた
横森さん「お〜!久しぶり〜!」
僕「お久しぶりです!」
横森さん「元気だった?」
僕「はい!横森さんも元気そうでよかったです!」
最初はお互いによそよそしかったが
徐々に緊張もほぐれ
久しぶりの再会を楽しんでいた
その後もたくさん話をして
横森さんも国リハへ来ると約束してくれた
横森さんと会う前は
すごく落ち込んでいるだろうなと思った
でも実際会ってみると
落ち込んでいる様子もなく
ずっと笑顔だった
後輩にそんな姿を見せないと虚勢を張っていたのかは
今でもわからないが
横森さんは今も笑顔で
パラリンピックに向けて一生懸命頑張っている
そんな先輩の姿に
僕も刺激をもらっている
デリヘル事件