埼玉へ来てから2年が経ち

 

僕は高校も無事卒業し、自立支援卒業を目前にしていた

 

 

そんなある日

 

僕は1泊2日で山梨へ帰省することになった

 

というのも

 

僕はいずれ山梨へ帰って生活するため

 

帰る場所である実家をバリアフリーに改装するのだが

 

その打ち合わせのために

 

山梨へ行くことになった

 

だが

 

僕の本当の目的は家の打ち合わせなんかじゃなかった…

 

 

 

僕「今度山梨に行くことになったさ」

 

浅川くん「え、そうなの?」

 

僕「そう!ほら、実家の改装のために打ち合わせみたいな」

 

浅川くん「あ〜なるほどね!」

 

浅川くん「じゃあ、泊まり?」

 

僕「うん、1泊2日かな」

 

浅川くん「実家は泊まれるの?」

 

僕「ううん、実家は泊まれる環境じゃないからホテル」

 

浅川くん「へ〜山梨いいなあ」

 

僕「でさでさ!」

 

浅川くん「な、何?」

 

僕「ついに……念願の!!!!」

 

浅川くん「念願の…?」

 

僕「もう〜…」

 

浅川くん「???」

 

僕「デリヘルだよっ!!!」

 

浅川くん「あ〜!」

 

 

僕は以前から浅川くんにデリヘルの話をしていた

 

17歳で車椅子になった僕は

 

デリヘルや風俗といった大人の世界を体験できていなかった

 

ずっと前から呼んでみたかったのだが

 

自立支援の寮には呼べないし

 

デリヘル呼ぶためだけに

 

近くのホテルを取るのも

 

なんだかなあと思っていた

 

 

だがしかし

 

ついに…

 

念願のデリヘルを呼ぶタイミングが訪れた

 

僕は浅川くんが埼玉へ来る時と同じくらいに

 

この時を

 

長い間待ち侘びていた

 

 

山梨帰省当日

 

 

僕「じゃあ、行ってくるわ…」

 

浅川くん「楽しんで!」

 

僕「あ…違った…」

 

浅川くん「ん?」

 

僕「やってくるわ…」

 

浅川くん「早く行きなよ!」

 

 

浅川くんは苦笑いだった…

 

僕の頭の中はもうデリヘルのことしかなかった

 

特急電車に揺られながら

 

僕はデリヘルを目指して

 

甲府の街へ向かった

 

 

早く夜になれ…

 

 

障害者のリアルな性事情