自動車教習の後

 

僕は体育館の裏にある喫煙所で

 

黄昏ていた…

 

 

僕はあと何回頑張れば良いんだろう

 

でも

 

頑張った先にあるのは

 

ただ、障害者として当たり前に生きていくだけの未来

 

その事実は覆らない

 

 

そんな未来が待っているとわかっていて

 

なにが楽しい?

 

なんのために頑張ればいい?

 

頑張れば幸せになれる?

 

いや

 

そもそも僕には幸せになる資格はない?

 

ただひっそりと陰で

 

障害者として生きていかなければならないのか

 

そんな事を思っていた

 

 

僕が犯してしまった事を聞いた時は

 

しばらくの間、嘘だと思いたかった

 

けれど

 

日が経つにつれ

 

記憶も徐々に戻ってくると

 

僕は自分がしてしまったことを重く実感していた

 

飲酒運転、二人乗り、信号無視…

 

相手の方にも迷惑をかけ

 

終いには、僕自身以外の人間に怪我を負わせた

 

この事実も覆らない

 

 

こんな自分は幸せになる資格なんてない

 

障害者になって

 

身体の自由、生活の自由が奪われて当然なんだ

 

頑張って生きていかなければならない

 

 

それを今更なんだ…?

 

なんで頑張らなきゃいけないとか

 

当たり前の生活をするために頑張るとか

 

なんで、障害者として生きていかなければならないんだとか

 

卑屈になって頑張る事をやめたり

 

そんな事をしている自分さえも嫌いだった

 

 

けれど

 

嫌いになるのは

 

僕のしてしまった僕の過去だけで充分だと

 

 

これからは

 

障害者だとしても

 

当たり前に生きていく未来だけが待っていたとしても

 

自分を嫌いになるのはやめよう

 

 

腐りかけの僕を突き動かしたのは

 

僕の大嫌いな僕の過去だった…

 

 

 

 

僕の犯してしまった過去