ある日

 

妹から突然、彼氏と籍を入れると連絡が来た

 

加えて

 

お腹に子どもがいるとも言われた

 

僕は素直におめでとうと返したのだが

 

正直、お兄ちゃんとして複雑な心境だった…

 

 

妹が結婚する相手がどんな人間かもわからない

 

子供を養っていく生活費の方は大丈夫なのか

 

心配なことが多かったが

 

僕は障害のある弱者だから

 

結局、あまり口出しはできなかった

 

 

本来は

 

親のいない僕たち3姉妹の中で

 

長男である僕は

 

2人を支えなければならない立場なのだが

 

まだ社会復帰もできていない

 

自立することもできていない

 

むしろ

 

2人から支えられている立場だった

 

 

それが

 

お兄ちゃんとしてものすごく情けなかった

 

 

健常者の頃の僕の理想としては

 

妹から結婚するという報告を受けたら

 

まず、どんな奴なのか会わせろと強気で言う

 

相手が妹にとって相応しいと思ったら

 

飲みに行ったりして関係を深くする

 

その上で

 

妹のことを頼む、と告げる

 

ドラマの見過ぎと言われるかもしれないが

 

これが

 

妹のためにできるお兄ちゃんとしての責任だ

 

 

だが

 

実際に報告を受けた時には

 

理想とは程遠かった

 

現実の僕は

 

障害者で車椅子に乗っていて仕事もしていない

 

強気で行けるほど、力もないし自信もない

 

頼りのないお兄ちゃんだった…

 

 

これがお兄ちゃんとして

 

ものすごく悔しいことだった

 

 

 

お兄ちゃんというのはやっぱり

 

頼り甲斐があって、かっこよくて、信頼できて

 

妹からの憧れというものが欲しい生き物であったりする

 

 

当時の僕はそれがめちゃくちゃ悔しくて

 

どうしたら頼られる存在になれるのか

 

車椅子でも、障害者でも

 

妹から頼られたい

 

そんな存在になれる方法を密かに考えていた…

 

 

 

 

 

人生の過ち