山梨の病院へ戻る日が近づいていた

 

 

僕は山梨を出る前

 

国立障害者リハビリセンターへ行くからには

 

身体的にも精神的にも成長して戻ると決心していた

 

だが、終わりが近づくにつれ

 

僕は成長できているのか不安だった

 

それに

 

あんなに迷惑をたくさんかけてしまったクソガキを

 

みんなは暖かく迎え入れてくれるのか

 

色んな不安が僕の頭をよぎっていた

 

 

そんなある日のリハビリの時間

 

隣ではいつもの様に中町がいた

 

 

中町「潤、そろそろ山梨戻るの?」

 

僕「そうだね〜…あっという間だったな〜」

 

僕「中町は、大学復学だっけ?」

 

中町「そう!」

 

中町「潤は、自立支援入らないの?」

 

 

自立支援とは、国立障害者リハビリセンターの敷地内にある

 

頸髄損傷の患者が、寮に入所しながら自立を目指しリハビリする施設のことである

 

 

僕「あ、そうそう!山梨戻って成人式とか終えたらまたこっち来る!」

 

中町「なるほどね!多分俺も車いすラグビーしに週3くらいで来るからまた会えるな」

 

僕「えっ…ラグビーやんのかよ…」

 

中町「え?だめ???」

 

僕「あんなに俺はもうスポーツなんかやらねえ!」

 

僕「とか言ってたくせに!」

 

中町は怪我をする前、バリバリの高校球児だったためそんなことを言っていた

 

中町「潤…」

 

僕「なに…」

 

中町「人は…変わるんだよ…」

 

僕「やかましいわ!」

 

僕と中町はこの日もゲラゲラ笑い合っていた

 

田中さん「ほんと仲良いなあ」

 

田中さんは僕たちを見てほっこりしていた

 

 

 

中町が退院する日を迎えた

 

中町「山梨遊び行ってやるから!」

 

車も乗れる様になっていた中町は、ドヤっていた

 

僕「うん!絶対な!」

 

中町「お互いがんばろうな!」

 

僕「おう!中町ありがとう!」

 

中町「じゃあ、またね」

 

僕「また連絡する〜!」

 

 

そう言って中町とお別れをした

 

 

なんだか少し心細くなったが

 

また会える日を楽しみに頑張ろうと思えた

 

僕にとって、中町という存在は

 

また一つ大きな心の支えとなった

 

 

中町との対談動画もあります!

 

 

 

 

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