そこにいたメンバーは、ほとんどが幼馴染みで、息子のこともよく理解してくれています。
息子はみんなのことが大好きで、その輪に入りたくて、だからものすごい恐怖と闘いながらも、顔を出そうと決めたんだと思います。
いつものように、めちゃくちゃ不自然な感じで入って行った息子。
「ほんとは来たくないんだけどなー。」
って言ってみたり、
「あー、気持ち悪いっ、吐きそー。」
って言ってみたり、
床に寝転んで死んだふりしてみたり、
まあ、ほんとに、
どんだけ不器用やねーんっ。
って思いましたけど(笑)、
それが逆に彼の必死さを表してたので、そっと見守ってたんですけどね…。
最初は悪ふざけしてた息子でしたが、
途中でもう我慢できないって顔で私のところへやってきたので、2人でちょっとその場を離れると、
人目のつかない所で、息子が暴れ出して、
ものすごい怒りを私にぶつけるように、
体当たりしてきたり、叩いてきたり…。
しばらくそんなことが続いて、
その後、暴れるのをやめた息子の目から涙が…。
「すんごく頑張ったけど、思うようにいかなかったのかな…?」
と声をかけると、
小さくうなづいて、
「僕のせいだ。」
とささやく息子。
「僕がどんなに頑張ったって、無理なんだ。
いつもみんなについて行けない。
もう、生まれてからずっとこんなじゃ、心が悲しくて、淋しくて、壊れてしまいそうだよ…
僕は、ただ普通に…、普通にみんなといたいのに。
たった一日でもいい、たった一時間でも一分でもいいから、
普通になりたいよ…。
一度でいいから、そういうのを味わってみたいよ…。」
と、涙に濡れた目で、私に訴えてきて、
息子の気持ちを考えると、
すごく切なくて、
だけど、息子の願いが叶う方法なんて見つからなくて…、
「そういう居場所を頑張って見つけよう…。」
って苦し紛れに言った私の言葉に、
「それも淋しいけどね…」
と、ポツリとつぶやいた息子。
そんな場所があるなんて思えなかったのかな。
それとも、そういう居場所を見つけようとすることすら、普通になりたい息子に、あなたは普通じゃないよって言ってしまってたのかな?
普通になりたいって夢。
息子にとっては、手が届きそうもない、夢のまた夢。