気持ち悪さ | 精巣腫瘍をめぐる冒険

精巣腫瘍をめぐる冒険

Ⅲ年b組 予後中間群

 はじめに気持ち悪さについて自覚したのは、抗がん剤を始めて3日目の朝のことでした。それは軽い車酔いのようなものでした。それは3日目の朝から、夜眠るまで続きましたが、次の日の朝にはほとんどなくなっていました。
 次に気持ち悪さに気がついたのは、抗がん剤を始めて5日目の朝のことでした。これも軽い車酔いのようなものでしたが、5日目の気持ち悪さは6日目の夜まで続きました。しかし、7日目の朝にはなくなっていました。
 次に気持ち悪さに気がついたのは、抗がん剤を始めて8日目の夕方4時ごろでした。これも軽い車酔いのようなものでした。そして、9日目の朝にはなくなっていました。
 しかし、このような気持ち悪さは、BEP療法を一回終えるごとに強くなってきました。わたしの場合、21日のなかの3日目に気持ち悪さがあったのは、1回目のBEP療法だけでしたが、5日目、6日目、8日目については、2回目、3回目、4回目の治療でも顕著に気持ち悪さがあらわれました。しかも、ますます強烈になって。
 3回目、4回目の5、6、8日目では、あまりの気持ち悪さに日中ほぼまったく動けず、目を開けているのもつらいほどでした。けれど、それは吐き気ではありません。強烈な船酔いのような感覚でした。
 ところが、化学療法が終わり一ヶ月ほど経つと、多かれ少なかれ化学療法中はずっと気持ちが悪かったのだと、感じるのでした。化学療法中の状態を冷静につかむ為には、化学療法まえの自分の状態と比較してみて考える必要がありますが、化学療法後に、化学療法まえの自分の普段の状態、知覚に、戻る為には、自分の場合には、それくらいの時間が必要だったのでした。