2月10日。午前6時。
『腰が痛い。』もはやこれは明確なことでした。
朝食後、忘れずに市販の痛み止めを飲みました。仕事中痛みが強くなってしまうことのないよう、昼食後に飲む痛み止めを持って行きました。
痛み止めを飲めば痛みはいくらかましにはなるのでした。
2月11日。午後12時30分。
昼食後、痛み止めを飲みましたが、腰の痛みはひきませんでした。
腰の痛みは、今までに経験したことのあるような、たとえばぎっくり腰のような鋭い痛みとは違い、重く持続的な鈍痛でした。ですから、体を動かすことはできたものの、なにをしていてもつねに腰が重く、なににも集中できないようでした。
『だめだ、どうしてもだめだ。』昼の休憩中にこう思ったわたしは、上司に相談に行きました。
「ちちょっと、すみません。腰のようすがおかしいんです。」わたしは言いました。
「え?大丈夫?」と、上司。
「いや、かなりまずいです。今までにないような痛みかたなんです。」と、わたし。
「え?病院行ったほうがいいんじゃないの?」と、上司。
「そ、そうですね。」と、体を屈めて腰を休めながらこたえるわたし。
「このままだと、あさっての仕事まずいかもしれません。」と、わたし。
「う~ん、そうかあ。」と、上司。
上司は、冷蔵庫にはってある勤務表を少しのあいだ確認していました。
「それなら、今から病院に行ってみるのはどう?」と、上司。
「そそうですね。とりあえず、そうしときます。すみません。」と、わたし。
と、いうことで、わたしはついにこの日、仕事を早退することになりました。