拝啓 マリコ様
今、ハリケーン IAN に襲撃され、停電中の家でこれを書いています。
私は昔から天災とか災害とか、実在するとはわかっているものの、どうも私自身とは直接関係がないというか、
要は身に染みて経験したこともなければ、自分がその立場に立たされると思ったことがないのです、が、
今回、今現在も鳴り止まない地域災害センターからのピーピーと荒れ狂う木々、
テレビも冷房も切れて冷蔵庫の中の物を心配している自分に、驚いています。
うちは鉄筋コンクリートですがそれでも音がすごくて 怖いですよ。
うちに発電のジェネレーターがないのは宅の旦那の楽観主義とケチによります。
近所でジェネレーターがないのはウチだけ。旦那に絡みたい気持ちをぐっと堪えて嵐が過ぎ去るのをじっと待ちます。
予報によると夜までこんな感じなので 今夜は電気は戻りそうにないですね。車での外出は公式に禁止されました。
FBやLINE等でお見舞いをいただきます。ありがたい。
これもまた発見なのですが、私は天災等の最中にいる人にお見舞いを送っても仕方ないと思っていたのですが、
今の環境で言うと いただくのはありがたいし嬉しいですね。
安否を気遣ってくれてるんだと思うだけで。今後は躊躇せずお見舞いをしようと思います。
でもハリケーンはゆっくりではあるものの遠くなったはずなのになぜ風は強くなるのでしょうかね。
うちの裏手は保護森林エリアに面してるんですが 木々がブランブラン揺れまくってって怖いですね。
予報によると夜までこの調子で風も止みそうにないです。
ご近所(発電機があるので電気がある)が招待してくれているのですが、犬を暗闇に置いていくわけにもいかず、
かと言って 脱毛期のラブラドールを連れて行けるほど厚かましくないので今晩は暗くなったら眠るという
人間本来の暮らしをしてみようかと思います。
行きつけのビーチ沿いのバーが水に沈んでる写真が送られてきて、今更ながら自分の置かれている環境にぞっとしています。
さっき犬のおトイレに外に出たんですが”嵐”ってこういう事だったのかと。台風とか強風とか
そう言うのを総称して嵐って昔から表現してたんですかね。
外はまさに”嵐を呼べー!”の嵐でしたよ。
小枝とか葉っぱとかビュンビュン吹き付けてきてヤシの木がまさに幹の方から揺れる揺れる。
前回のイルマ(ハリケーン)の時もこの家はさしたるダメージも保険会社にファイルされていないので、
家自体の損傷は心配していないのですが、屋根がどうでしょうね。
夫は歳と共にますますネガテイブ気質になり起こってもいない自分で考えた最悪のシナリオに
怒ったり落ち込んだりするので こう言う時は 私からは何も懸念の材料を提供しません。
心の中では
”ケチケチしないで発電機をつけてたら、今日はなんて事のない雨の1日としてテレビを見て過ごせたのに、電気がない事でいきなり原始的なサバイバル状態になり、冷蔵庫の食糧を気にしなければならないじゃない”と
怒鳴りたい気持ちを抑えるだけで精一杯です。
まあ、本人もそう思ってるのは感じるから、虐めないでおきましょう。
今インターネットがつながっていないのでこのお手紙の投稿は明日になりそうです。
さて、今日は暗闇の中でお好み焼きとワインをいただいて早々に寝るとします。
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