若い頃は欲しい物ややりたい事だらけでしたが、

最近はめっきり物欲も無くなりやりたい事も中々見つからない。

これは私にとって良い事だと思っていた。

人と比べる事なく心穏やかに

そして簡素で身軽な暮らしは一通りの事を経験して長年掛けて辿り着く境地だと。


しかし最近思うのが、

欲望を無くした人間って実は不幸なのではないか?という疑念だ。


目の前に欲しい物があるから我武者羅に突っ走れる。


目の前にニンジンをぶら下げてそこに視点を合わせいるから真理と向き合わなくて済むんじゃないかな?


常にポケットからニンジンを取り出して食べられる環境ではニンジンを手に入れた時の感動は味わえないのだ。


週末が楽しくなるようなイベントや届くのが楽しみな買い物など、

ちょっとしたご褒美を自分に与えてあげる事って実は重要な事なんだ。


私は料理が趣味で

外食に行かなくても特別な物が食べられたら幸せかなって考えて

鰻を焼いたり蕎麦を打ったりスッポンを捌いたりしてきた。

しかし家で自分で出来るようになるとそれらは特別でも何でもなく日常食に成り下がる。



タネあかしされた後に手品を見せられてるような物です。


タネを知らなきゃ楽しめるのに。


真理に近付く事で失う事も多いって事ですね。


少しお休みが待ち遠しくなるようなご褒美を自分に与えてあげようと思う。