上達しないピアノ | 初老精神科医なおざう

初老精神科医なおざう

教員をやめ、中年で再受験して、今や初老精神科医。仕事はぼちぼち。ピアノのおけいこ、読書、お酒、その他の日常を記して行きたいと思います。

 このブログサイトを開設したのは2015年11月末だから、もうすぐ8年になる。いろいろなことを思いつくままに記してきたが、ピアノレッスンの備忘録という目的があったから続けられたのだと思う。過去の記事を久しぶりに読み返してみたが、ピアノがなかなか上達していないのを再認識し、少しがっかりした。反省も兼ねてピアノの学習歴について改めて振り返ってみる。

 

 なおざうの子供の頃は、家もそれほど豊かではなく、父親がもらってきた古い足踏みオルガン(いつの話だ)があっただけで、ピアノなど習ったことはなかった。20歳すぎの大学生の時、電子ピアノを自分で買ったが、バイエルを独学でちょっとやって挫折。当時購入したブルグミュラー25の練習曲やハノンの楽譜が残っている。(笑)

 

 その後、久しくあきらめていたが、地獄の初期研修を終え精神科単科病院に勤め始めた2007年秋頃に、電子ピアノを再度購入し、また独学で弾き始めた。昔と違い、ネットでいろいろと情報が得られるのがありがたく、田所政人氏のピアノ教材閻魔帳というサイトやピアノレッスンのヒントというサイト(今も健在です)を参考にして、早く難易度の高い曲を弾きたいと憧れつつ、バイエル、ブルグミュラー25の練習曲、橋本晃一氏のおとなのためのピアノ教本2,3、だんだん背伸びをして、クレメンティのソナチネ、バッハの小前奏曲、インベンション、ベートーヴェンのソナタ20番、モーツァルトのK545まで手を出した。初歩を終え、初級に入ったばかりでインベンションやソナチネの難しいレベルが弾ける訳はない。今にして思えば、音符を追って弾くことにばかり気をとられ、手や腕に力が入りすぎていたのだと思う。手の元の関節(MP関節)が山型にならずに悩んだこともあった。鍵盤が掴めていなかったんだろう。

 独学の限界を感じ、2009年の夏からK音楽教室で月2回のレッスンを受けることにした。ブルグミュラー25の練習曲をやり、チェルニーのやさしい20の練習曲を併用し、ベートーヴェンのピアノソナタ20番、19番、モーツァルトK545、バッハのインベンション1,4,8あたりまで進んだように思う。でも今にして思うと、まだ手に力が入っていて、弾いていて妙に疲れたように記憶している。

 2012年に西に転居したため、ピアノレッスンは中断。その後、シンフォニアやフランス組曲などの楽譜を買って挑戦していたがなかなか上達しないしモチベーションも上がらない。このためまた、2015年5月から再度K音楽教室に通い始め、このブログを開設したのである。

 

・2015年5月から今までレッスンでやった曲を振り返ってみる。

 

ソナチネ:クレメンティ、クーラウその他 

チェルニー:30番練習曲2周、40番練習曲31番まで

ブルグミュラー:18番練習曲のシルフィーズ

 

バッハ:インベンション全曲、シンフォニア全曲、小前奏曲(BWV933-938)、平均律を少し(1巻1番、2番、10番など)、フランス組曲5曲、パルティータ3曲

 

スカルラッティ:K9,K380

ハイドン:ソナタハ長調 HobXVI 35

モーツァルト:ピアノソナタK280  1-3楽章、K309 1楽章、K310 1楽章、K311 1楽章、K330 1楽章、K331 1-3楽章、K332 1楽章、K333 1-3楽章、きらきら星変奏曲

 

ベートーヴェン:ピアノソナタ1番1楽章、5番1楽章、8番(悲愴ソナタ)1-3楽章、10番1楽章、19番、20番、25番

 

シューベルト:即興曲 op.90-2,4

シューマン:こどものためのアルバムより数曲、トロイメライ

ショパン:ワルツop.64-2、op.69-1,2 ノクターンop.9-2  前奏曲 4,6,7,15

 

ブラームス:op.76-7,op.118-1

グリーク:抒情小曲集数曲

ギロック:ワルツエチュード他

湯山昭、平吉毅州、芥川也寸志の作品

 

 こうしてみると、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンを多く弾いているのがわかる。

バッハやモーツァルト、ベートーヴェンは好んで聴く作曲家でもあり当然かな。

 

 バッハもモーツァルトもベートーヴェンも、自分で演奏するようになって、曲を細かく理解できるようになり、鍵盤楽曲の曲を聴くことがさらに多くなった。バッハは弾いても聴いても楽しい。モーツァルトはもしかすると弾く方が楽しい。ベートーヴェンは難易度が高いので、今のところは聴く方がより楽しい、というか、弾けるソナタが少ない。

 

 ブラームスも聴くのは好きなのであるが、これは難易度が高すぎて、なかなか挑戦できない。

ピアノ弾きはショパンが好きな人が多いが、なおざうはそれほど好きではないのかも知れない。難しいこともあるが。マズルカは良さがわからず、一曲も弾いていない。

 

 曲の難易度をみてみると、田所政人氏の難易度(1-28)でいうなら、下はソナチネ(難易度10前後)の初級終了程度の曲から、上はバッハのパルティータ2番(難易度23)、ベートーヴェンの悲愴ソナタ(難易度22)、モーツアルトK310 (難易度22)、平均律1巻1番フーガ(難易度22)のような上級初めの曲まで幅広くなっている。

8年もレッスンに通っているのだから当然か。なおざうの今の実力はおそらく難易度17程度(中級後半)というレベルである。バッハのインベンションはまあ弾けるが、シンフォニアはちょっと苦労する。フランス組曲は弾ける曲も多いが中には苦労する曲もある。ベートーヴェンの19,20,25以外のソナタは易しいものでもちょっと汗をかかなきゃならない。モーツアルトの前半期のソナタは頑張れば何とかなりそう。ショパンは簡単な曲に限って弾けるという所である。レッスン開始時はソナチネをやっと弾いていた程度だったので難易度10程度の実力だったから、1年間にレベル1弱しか上がっていない。ピアノの上級への壁は厚い。

 

 子供に比べれば上達の速度が遅いのは仕方がない。なおざうの才能も乏しいのであろう。

その他、上達が遅い原因としては、電子ピアノで練習していること、ハノンなどの技術的な練習が少ない、練習時間が短い、曲の仕上げが甘い、発表会に出ていないなどが考えられる。

 

 今後は今まで弾いてきた曲の復習も取り入れるのが良いかもしれない。8年近く前に弾いたクレメンティのop36-6を久しぶりに弾いてみたところ、ちょっと練習すれば楽に弾けるようになった。当たり前か。モーツァルトやベートーヴェンのソナタも弾き直してみるか。でも、難しい曲にも懲りずに挑戦したいなあ。バッハのイギリス組曲、そして、ベートーヴェンの月光ソナタ。レッスンに持っていくかどうかは別にして、遊びで部分練習からやってみるかな。バッハのゴルトベルク変奏曲も全部は無理でも弾いてみたい。

 

 ところで、田所政人氏のサイトの内容は、息子さんが「あるピアニストの一生」のサイトを立ち上げてくれたお蔭で参照できていたが、最近閉鎖されてしまった。それでもinternet archive wayback machineというサイトを利用して、リンク切れになっているアドレスを入力すると、過去のウェブサイトの大部分を復元してくれる。

 

 

 
 更には、元の田所政人氏のサイトも復元できる。

 

 

 internet archive wayback machineというサイトは神サイトである。自分が以前作っていたサイトもこれである程度復元できる。20年も前のサイトが見られるのだから本当にありがたい。