お疲れさまです。

最近、トルカプの処方を受けました。ブログを確認したら…書いていない(苦笑)。

昨年5月の発売なので、おそらく、「服薬指導のエッセンス」の製作に必死だったのでしょう。

トルカプは、ギリギリで「服薬指導のエッセンス」」の表に載せたのを覚えています。

 

 

では、ザックリ進めます。

 

「Clinical Cloud」から抜粋させていただきました。

Clinical Cloud

トルカプは、内分泌療法後に増悪したHR陽性HER2陰性進行乳がんに対して、フルベストラント(商品名:フェソロデックス)と併用する国内初のAKT阻害剤です。AKTはPI3K/AKT/PTEN経路を構成する重要な分子の1つであり、細胞の増殖、生存、代謝および遺伝子発現の促進に関わり、様々ながんで活性化されています。本剤は、AKTを選択的に阻害することで、PI3K/AKT/PTEN経路を阻害し、抗腫瘍効果を示すと考えられています。

 

さらに知りたい方はこちら。

トルカプ(カピバセルチブ)の作用機序【乳がん】 - 新薬情報オンライン

 

遺伝子変異に基づいた治療が、どんどん進化していきますね。

 

では、薬剤情報です。

 

○トルカプ錠160mg,200mg(一般名:カピバセルチブ)

 

【効能・効果】

内分泌療法後に増悪したPIK3CAAKT1又はPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん

 

【用法・用量】

フルベストラント(フェソロデックス)との併用において、通常、成人には1回400mgを1日2回、4日間連続して経口投与し、その後3日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

※4日服薬、3日休薬です(「服薬指導のエッセンス」表2-3に掲載しています)。

 

【用法及び用量に関連する注意】(抜粋)

・副作用発現時の減量目安があります

・強いCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の1回用量を320mgに減量すること

 

【重要な基本的注意】

高血糖があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に空腹時血糖値及びHbA1cの測定を行うこと。本剤投与中は血糖値、HbA1cの測定に加えて、ケトン体の測定を実施することが望ましい。

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】

(いわゆる慎重投与)

糖尿病若しくはその既往を有する患者又は血糖コントロールが不良な患者

※「服薬指導のエッセンス」表24-5に掲載しています)

・重度の腎機能障害のある患者

・肝機能障害患者

 

【生殖能を有する者】

・妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること

・生殖可能な男性に投与する場合には、造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること

 

【併用注意】

本剤は、主にCYP3Aにより代謝され、CYP3Aに弱い阻害作用を示す。また、本剤はMATE1、MATE2-K及びOCT2に阻害作用を示す。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

強いCYP3A阻害剤

イトラコナゾール

クラリスロマイシン

ボリコナゾール 等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

グレープフルーツ含有食品

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

中程度のCYP3A阻害剤

ベラパミル

エリスロマイシン

フルコナゾール 等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

強いCYP3A誘導剤

カルバマゼピン

フェニトイン

リファンピシン 等

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

中程度のCYP3A誘導剤

モダフィニル

フェノバルビタール

リファブチン 等

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

CYP3Aの基質となる薬剤

ミダゾラム

カルバマゼピン

シクロスポリン 等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

MATE1、MATE2-K及びOCT2の基質となる薬剤

メトホルミン

プロカインアミド 等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がMATE1、MATE2-K及びOCT2を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

 

【重大な副作用】

・高血糖(14.1%)

・重度の下痢(9.3%)

・重度の皮膚障害:多形紅斑(1.7%)、全身性剥脱性皮膚炎(0.6%)等

 

【包装】

・〈トルカプ錠160mg〉

32錠[8錠(PTP)×4]

・〈トルカプ錠200mg〉

32錠[8錠(PTP)×4]

 

※1回2錠1日2回、4日間/週なので、1箱で2週間分となります。

※2025年5月末日まで、投薬期間は1回14日分を限度とされています。

 

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これまで自費出版で4版まで出した拙著「服薬指導のエッセンス」

昨年8月末に、じほうさんから新版が発売されました。

今までの集大成というつもりで作りました。

どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

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