とりあえず、重要性の高いものを優先します。

9月1日に潰瘍性大腸炎治療薬のコレチメントが発売されました。

 

 

成分名はブデソニド。アンテドラッグ型のステロイドです。

ブデソニドと言えば、吸入薬のパルミコートの成分で、他の吸入薬にも使用されています。

そして、クローン病に使われるゼンタコート、潰瘍性大腸炎に使われる注腸薬のレクタブルの成分もブデソニドです。

 

コレチメント(ブデソニド)の作用機序:レクタブルとの違い【潰瘍性大腸炎】 - 新薬情報オンライン (passmed.co.jp)

潰瘍性大腸炎に1日1回投与の経口ステロイド:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

ブデソニドについて(日経DI)

「ブデソニドは、肝初回通過効果によって糖質コルチコイド活性の低い代謝物となるため、経口投与によるバイオアベイラビリティが低いと考えられている。全身に曝露される糖質コルチコイド活性の軽減が期待され、アンテドラッグ型のステロイドと評価されている。今までにブデソニドは、吸入製剤(パルミコート他)が気管支喘息、注腸製剤(レクタブル)がUC、カプセル製剤(ゼンタコート)が活動期クローン病に使用されている」

 

コレチメントについて(日経DI)

「コレチメントは、薬物送達技術「MMXテクノロジー(Multi Matrix System)」を使用したブデソニドの経口DDS(Drug Delivery System)製剤であり、UCの適応では注腸薬に次ぐ。具体的には、ブデソニドをUCの標的部位である大腸に送達するとともに、送達部位でのブデソニドの持続的な放出が期待できる放出制御薬と位置づけられている。さらに、同薬は、1日1回投与の経口薬であることから、良好な服薬利便性や服薬アドヒアランスが期待できる」

 

「MMX」について→薬物送達技術「MMX」 | コレチメント | 持田製薬株式会社 (mochida.co.jp)

 

読みましたが、分かったような分からないような感じです(苦笑)。

 

 

では、薬剤情報です。

 

○コレクチメント錠9mg(成分名:ブデソニド)

 

【効能・効果】

活動期潰瘍性大腸炎(重症を除く)

 

【用法・用量】

通常、成人には9mgを1日1回朝経口投与する。

 

【用法・用量に関連する注意】

本剤投与中は患者の病態を十分観察し、投与開始8週間を目安に本剤の必要性を検討し、漫然と投与を継続しないこと。

 

【重要な基本的注意】→基本的のステロイド薬と共通

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】

・感染症の患者

・B型肝炎ウイルスキャリアの患者

・中等度以上の肝機能障害のある患者

・小児等を対象とした臨床試験は実施していない

 

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

デスモプレシン酢酸塩水和物
ミニリンメルト
男性における夜間多尿による夜間頻尿→25μg、50μg製剤

低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

機序不明。

 

【併用注意】

本剤は、主として代謝酵素CYP3A4で代謝される。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

CYP3A4阻害剤
イトラコナゾールエリスロマイシン、シクロスポリン、コビシスタット等)

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。

CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

グレープフルーツ、グレープフルーツジュース

本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。

発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツに含まれる成分が、CYP3A4を抑制するためと考えられる。

 

※GFJについては禁忌という訳ではないですが、同成分のゼンタコートが「本剤の服用中は摂取しないよう注意すること」となっています。コレチメントの特性を考えても、GFJは摂取しないほうが良いでしょう。

 

【副作用】→ステロイド薬に共通する症状

 

【適用上の注意】

・本剤を分割したり、乳鉢による粉砕は行わないこと。

・本剤は放出制御製剤であることより、かまずに服用すること。

・便中に錠剤が認められることがある。

 

【保険給付上の注意】

本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2024年8月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。

※同成分のゼンタコートがすでに販売されていますが、コレチメントは新薬扱いです。

 

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2021年8月に発売されました

「服薬指導のエッセンス改訂第4版」ですが

2023年8月に売り切れました

本当に、皆さんのおかげです。

ありがとうございます。

 

これからの展開は未定です。

自費出版はもうないかもしれません。

ただ、何らかの形で、本の内容を改訂して公表したく思っています。

また何か進展があれば、ここでもお知らせします。

 

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