ちょっと急にバタバタと忙しくなりそうなので、急いで書いておきます(苦笑)。

9月7日にFGFR2融合遺伝子陽性胆道がん治療薬のリトゴビが発売されました。

 

 

リトゴビ(フチバチニブ)の作用機序【胆道がん】 - 新薬情報オンライン (passmed.co.jp)

FGFR2融合遺伝子陽性胆道癌にさらなる経口薬:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

FGFR融合遺伝子陽性と書かれているように、遺伝子変異に着目した治療薬です。

最近は、このタイプの抗がん薬がたくさん販売されています。

患者さんの遺伝子変異を確認してから治療をする「オーダーメイド」の治療とでもいいますかね。

 

日経DIから、その部分の記載を抜粋させていただきます。

「胆管がん患者では、iCCA(肝内胆管がん)において、FGFR経路の遺伝子異常として、FGFR2融合遺伝子が高頻度に認められる。FGFR融合遺伝子は、がんの原因となる異常な遺伝子である。FGFR融合遺伝子から産生されるFGFR融合蛋白は、リガンド非依存的にチロシンキナーゼを活性化することにより、腫瘍細胞を増殖させると考えられる」

 

次に、胆道がんの従来の治療法について抜粋させていただきます。

「従来、切除不能の胆道がんに対する化学療法として、ゲムシタビン(GEM;ジェムザール他)単独療法、テガフール・ギメラシル・オテラシル(S-1;ティーエスワン他)単独療法、ゲムシタビン+シスプラチン(CDDP;ランダ他)併用療法(GC療法)が保険適応となっている。さらに、2021年6月よりFGFR阻害薬のペミガチニブ(ペマジール)が臨床使用されるようになった」

 

(参照)

6月1日に胆道がん治療薬のペマジールが発売されました | 「服薬指導のエッセンス」~薬剤師のための患者さんへの接し方と服薬指導~ (ameblo.jp)

 

私が勤める薬局は大学病院の前にありますが、ペマジールの処方も経験したことがありません。

ちなみに、胆道がんの罹患数の順位は13位(ピンと来ませんね)。

推定罹患数は2.2万人、人口10万人当たり18人だそうです(まだピンと来ませんね)。

大腸がんは、同15.5万人、10万人当たり124人とのこと。

やはり、胆道がんは圧倒的に少ないですね。

(愛知県医師会HPより臨床トピックス-江畑先生.indd (med.or.jp)

 

さて、作用機序については、木元先生の「新薬オンライン」に頼ります。

リトゴビ(フチバチニブ)の作用機序【胆道がん】 - 新薬情報オンライン (passmed.co.jp)

 

 

 

イメージが湧きましたでしょうか。

 

 

では、薬剤情報です。

 

○リトゴビ錠4mg(一般名:フチバチニブ)

 

【効能・効果】

がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん

 

【用法・用量】

通常、成人には、1日1回20mg を空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

※食事の影響を受けます。

 

食後に本剤を投与した場合、本剤のCmaxおよびAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること」

「健康成人16例に本剤20mgを食後(高脂肪食、高カロリー食)に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるフチバチニブのCmaxおよびAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.576および0.888であった(外国人データ)」

 

※「服薬指導のエッセンス第4版」の「食事の影響を受ける抗がん薬(空腹時)」の表に追記してください。表の掲載は割愛します(ごめんなさい)。

 

【その他の用法・用量に関連する注意】

・他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性および安全性は確立していない。

・副作用が発現した場合の減量基準あり→添付文書を参照。

 

【重要な基本的注意】

網膜剥離があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼科検査を行うなど観察を十分に行うこと。

※漿液性網膜剥離(1.0%)、網膜色素上皮剥離(1.0%)

 

高リン血症(91.3%)があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清リン濃度を測定し、血清リン濃度の変動に注意すること。

※重大な副作用である高リン血症の治療に対して、2021年3月、炭酸ランタン(商品名炭酸ランタン顆粒分包「ニプロ」)に「FGFR阻害剤投与に伴う高リン血症の改善」が適応追加された。

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】

・中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pugh分類BまたはC)

・妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中および最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。

・男性には、本剤投与中および最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。

※男性への注意喚起もあります。

 

【併用注意】

本剤は主にCYP3Aで代謝される。また、本剤はP-gp及びBCRPの阻害作用を示す。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

強いまたは中程度のCYP3A誘導剤

リファンピシン、カルバマゼピン、エファビレンツ等

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

強いまたは中程度のCYP3A阻害剤

イトラコナゾールクラリスロマイシン、フルコナゾール等

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

P-gpの基質となる薬剤

ジゴキシン、ダビガトランエテキシラート、フェキソフェナジン等

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

BCRPの基質となる薬剤

ロスバスタチン、アトルバスタチン、メトトレキサート

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

 

【重大な副作用】→重要な基本的注意を参照

 

【その他の副作用】(抜粋)

口内乾燥(30.1%)

爪の異常(46.6%)、脱毛症(33.0%)

 

【包装】

PTP包装:35錠(5錠×7)→通常、1回5錠なので7日分となっています。

 

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2021年8月に発売されました

「服薬指導のエッセンス改訂第4版」ですが

2023年8月に売り切れました

本当に、皆さんのおかげです。

ありがとうございます。

 

これからの展開は未定です。

自費出版はもうないかもしれません。

ただ、何らかの形で、本の内容を改訂して公表したく思っています。

また何か進展があれば、ここでもお知らせします。

 

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