5月24日にフェニルケトン尿症治療薬のパリンジック皮下注が発売されました。

 

 

自己注射製剤で、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤となっています。

ただ、使用頻度は低いと思われますので、サラっと書いておきます(すいません)。

 

フェニルケトン尿症に対する自己注射製剤:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

(製剤について)

パリンジックは、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)を、免疫原性の低減と消失半減期の延長を目的としてポリエチレングリコール(PEG)化した製剤である。同薬はPAHが欠損したPKU患者で高値となるPheを補助因子BH4非依存的に、アンモニアとケイ皮酸に代謝する。この結果、欠損するPAHを代替することで血中Phe濃度を低下させる。また、同薬は皮下に自己注射可能なプレフィルドシリンジ製剤である。

 

※疾患については上記リンクを参照してください。

 

 

では、薬剤情報です。

 

○パリンジック皮下注2.5mg、10mg、20mg(成分名:ペグバリアーゼ)

 

【効能・効果】

フェニルケトン尿症

 

【用法・用量】

通常、成人には1日1回20mgを維持用量とし、皮下投与する。ただし、週1回2.5mgを開始用量として、以下の漸増法に従い、段階的に増量する。1日1回20mgを一定期間投与しても効果が不十分な場合は、40mg又は60mgに段階的に増量できるが、最大用量は60mgである。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

 

1日1回20mgまでの漸増法

用量・投与頻度
投与期間
2.5mgを週1回投与 4週間以上
2.5mgを週2回投与 1週間以上
10mgを週1回投与 1週間以上
10mgを週2回投与 1週間以上
10mgを週4回投与 1週間以上
10mgを1日1回投与 1週間以上
20mgを1日1回投与

 

※包装は1本となっています。

 

【用法・用量に関連する注意】(抜粋)

・40mgへの増量は、1日1回20mgを原則24週間以上投与しても効果が不十分な場合に考慮することができる。患者の状態に応じて1日1回20mgを12週間以上投与しても効果が不十分な場合にも40mgへの増量を考慮することは可能であるが、その必要性については個々の患者の状態を踏まえて慎重に判断すること。
60mgへの増量は、1日1回40mgを16週間以上投与しても効果が不十分な場合に考慮することができる。

 

・本剤の投与によりアナフィラキシーを含む過敏症反応が発現することがある。症状を軽減させるため、抗ヒスタミン剤及び必要に応じて解熱鎮痛剤を本剤投与開始2~3時間前を目安に前投与すること。前投与は、少なくとも維持用量に達するまでの間は行い、維持用量での投与においても患者の状態に応じて行うこと

抗ヒス薬、解熱鎮痛薬も同時に処方される可能性がありそうです。

 

・投与開始に際しては緊急時に十分な対応をとれる医師の監督のもとで本剤を投与すること。投与後少なくとも1時間は患者を十分に観察すること。

※開始は院内です。

 

【重要な基本的注意】(抜粋)

アナフィラキシーを含む過敏症反応が発現することがあるため、以下の点に注意すること。

・本剤による治療中は自己注射可能なアドレナリン注射剤を常時携帯するよう、患者に指導すること。

エピペンも処方されるということでしょうか?

 

・投与後少なくとも1時間はアナフィラキシー等の発現に特に注意すること。

・重度の関節痛、持続性の関節痛があらわれることがあるので、発現した場合は、解熱鎮痛剤(NSAIDs等)、副腎皮質ホルモン製剤等による治療及び必要に応じて本剤を減量又は中止すること。

・アナフィラキシーの徴候・症状、それらの症状が発現した場合の対処方法等を理解した家族等が、投与後少なくとも1時間は患者の傍らで観察するよう指導すること。

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】(抜粋)

・生殖能を有する者

妊娠可能な女性に対しては、原則として本剤投与中及び投与中止後1カ月間は適切な避妊を行うよう指導すること。妊娠を希望する女性に本剤を投与する場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみとすること。

 

【薬剤投与時の注意】(抜粋)

・皮下注射は、大腿部、腹部、上腕部又は臀部に行うこと。注射箇所は毎回変更し、挫傷、発赤又は硬結している部位等への注射は避けること。

・1回の投与量が20mgを超える場合、1日の中で分割投与はせず、同じ時間に注射箇所を変えて複数回注射すること。各注射箇所は5cm以上離すこと。

 

【貯法】

2~8℃

 

【取扱い上の注意】

凍結を避けること。冷蔵庫(2~8℃)で保管できない場合、室温で保管することもできるが、1カ月以内に使用すること。また、室温で保管した後は冷蔵庫に戻さないこと。

 

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「服薬指導のエッセンス改訂第4版」が

2021年8月26日に発売されました。

自費出版のため、広告媒体がありません。

販売開始後1年以上経ちますが、まだ在庫があるようです😊

もし、よろしければ、周りの人にお勧め下さい。

今後もよろしくお願い致します。

 

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