4月17日にALS治療薬のラジカット内用懸濁液が発売されました

最近、あまり新発売の薬剤がなく、ブログから遠ざかっていました（苦笑）。

あ、Twitterにはちょこちょこと書き込んでますので、よろしければご覧ください。

さて、今回は4月17日に発売されました、筋萎縮性側索硬化症（ALS）治療薬のラジカット内用懸濁液についてです。保険薬局での取り扱いは、一部に限られそうなので、掲載するか迷いました。

ただ、「ひとまず投薬できる体制を整える」のが私の方針なので、書こうと思います。

ALSについては割愛します。ALSの治療の部分を抜粋させていただきます。

「ALSの治療としては、薬物療法、対症療法、嚥下・栄養管理、呼吸管理、リハビリテーションなどがあるが、その中でも、薬物療法が中心である。現在、ALSに対する治療薬には、1999年よりグルタミン酸遊離阻害などにより神経細胞保護作用を発揮する経口製剤のリルゾール（リルテック他）、2015年より脳保護薬（フリーラジカルスカベンジャー）のエダラボン（ラジカット他）の注射製剤が臨床使用されている。中でも、エダラボンは、ALSにおいてフリーラジカルによる酸化ストレスが関与している可能性が示唆されていることから、フリーラジカルを消去し、運動神経細胞などの酸化的傷害を抑制することで病勢進展の遅延を発揮する。しかし、既存のエダラボンの注射製剤は、ALS患者における機能障害の進行抑制に効果が期待される一方で、長期にわたって頻回投与すること、筋萎縮のため血管確保が難しいことなどから、患者、介護者および医療従事者にとって大きな負担であり、在宅治療に移行できない場合も生じていた」

今回のラジカットは、すでに注射製剤として存在しています。その経口製剤が今回新発売されました。在宅での治療を視野に入れた新発売なのでしょう。ALS患者さんの誤嚥リスクを考慮して最低限のとろみを持たせているので、注射製剤よりはるかに使い勝手が良いと思われます。

それでは薬剤情報です。

参考までにメーカーホームページのリンクを貼ります。

ラジカット｜田辺三菱製薬医療関係者サイト Medical View Point (mt-pharma.co.jp)

○ラジカット内用懸濁液2.1％（成分名：エダラボン）

【効能・効果】

筋萎縮性側索硬化症（ALS）における機能障害の進行抑制

【用法・用量】

通常、成人に1回5mL（エダラボンとして105mg）を空腹時に1日1回経口投与する。
通常、本剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。

※食事の影響を受けます（以下、参照）

【用法・用量に関連する注意】

本剤は食事の影響により血漿中濃度が低下するため、起床時等の8時間絶食後に本剤を服用することとし、服用後少なくとも1時間は水以外の飲食は避けること。

8時間絶食ができない場合、低脂肪食では摂取後4時間以上、軽食では摂取後2時間以上あけて、本剤を服用することが可能である。ただし、高脂肪食では摂取後8時間以上あけて本剤を服用すること。

※「服薬指導のエッセンス第4版」には空腹時投与の薬剤表を掲載しています。追加してください。