4月18日に、新規2型糖尿病治療薬のマンジャロ皮下注2.5mg・5mgアテオスが発売されました。

なお、他の規格(マンジャロ皮下注7.5mg・10mg・12.5mg・15mgアテオス)は6月12日に発売予定です。

 

 

マンジャロは、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬に分類されます。

ここで気になるのは、GIPですよね。では、解説記事です。

 

世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

まずはインクレチンについて復習。

「インクレチンにはGLP(グルカゴン様ペプチド)-1GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)が確認されており、いずれも血糖値が高い場合にインスリン分泌を増強するが、血糖値が正常あるいは低い場合にはインスリンを増強しないという血糖コントロール作用を有し、さらに、GLP-1はグルカゴン分泌抑制や胃内容物排出遅延を介して食後血糖を低下させる作用も確認されている」

 

次にマンジャロについて。

「マンジャロは、GIPとGLP-1の2つの受容体に単一分子として作用する世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬である。具体的にはGIP受容体およびGLP-1受容体に結合して活性化することで、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させ、空腹時および食後グルコース濃度を低下させることにより、血糖コントロールを改善する。また同薬は、39個のアミノ酸を含む合成ペプチドで、構造はGIPのアミノ酸配列から設計されており、C20脂肪酸側鎖を付加することで内因性アルブミンへの結合性を高めて消失半減期を延長した週1回投与製剤となっている」

 

次に新薬情報オンラインから図をお借りします。

マンジャロ(チルゼパチド)の作用機序・特徴【糖尿病】 - 新薬情報オンライン (passmed.co.jp)

 

※新薬情報オンラインの木元先生に許可を得ています。絶対に転載しないでください。

 

GIPの作用で気になるのは「グルカゴン分泌作用」ですよね。

この点について、木元先生のページによりますと、

「GIP作用にはグルカゴン分泌作用もありますが、それ以上にインスリン分泌促進と感受性亢進で血糖降下作用の方が強く出ると予想しています」

とのことでした。

 

では、薬剤情報です。

 

 

○マンジャロ皮下注2.5mgアテオス、同皮下注5mgアテオス、同皮下注7.5mgアテオス、同皮下注10mgアテオス、同皮下注12.5mgアテオス、同皮下注15mgアテオス

(成分名:チルゼパチド)

 

【効能・効果】

2型糖尿病

 

【用法・用量】

通常、成人には、週1回5mgを維持用量とし、皮下注射する。ただし、週1回2.5mgから開始し、4週間投与した後、週1回5mgに増量する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量できる。ただし、最大用量は週1回15mgまでとする。

 

※ひとまず開始から8週間は2.5mgと5mgしか使わない。

さらに増量するのは8週以降なので、最短で6月13日以降となる。

(2.5mg、5mg以外の発売日は6月12日)

 

【用法・用量に関連する注意】(抜粋)

・本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。

・投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。

 

【重要な基本的注意】(抜粋)

・本剤とDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体及びGIP受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。

 

他、副作用などは既存の同作用機序薬に類似しますので割愛します。

添付文書などを参照してください。

基本的な使い方も、既存のアテオスと同じなので割愛します。

 

「服薬指導のエッセンス第4版」にはGLP-1製剤の表を掲載しています。追加してください。

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「服薬指導のエッセンス改訂第4版」が

2021年8月26日に発売されました。

自費出版のため、広告媒体がありません。

販売開始後1年以上経ちますが、まだ在庫があるようです😊

もし、よろしければ、周りの人にお勧め下さい。

今後もよろしくお願い致します。

 

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