久々の新薬情報です。

4月6日に新規抗真菌薬のクレセンバ(成分名:イサブコナゾニウム)が発売されました。

適応症は「アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性アスペルギローマ)、ムーコル症クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症[クリプトコックス脳髄膜炎を含む]の真菌症の治療」。

市中のクリニックからは処方されない薬剤ですね。

 

 

では、深在性真菌症について、日経メディカルから抜粋させていただきます。

深在性真菌症に対する新たなアゾール系抗真菌薬:日経メディカル (nikkeibp.co.jp)

 

「侵襲性アスペルギルス症などの深在性真菌症は、血液疾患領域をはじめとして幅広い領域の患者に見られる臓器または全身性の感染症であり、宿主が状態不良な例も多いことから早期診断・治療が急務な重篤な疾患である」

 

次に、成分について、Clinical Cloudから抜粋させていただきます。

クレセンバカプセル100mg、 同点滴静注用200mg (medipal.jp)

 

「クレセンバは、アゾール系抗真菌薬で、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を示します。本剤は、アスペルギルス症、ムーコル症およびクリプトコックス症に対する治療効果が確認されたことから、新たな治療選択肢の一つになると考えられています。また、本剤にはカプセル剤と注射剤の2種類があり、カプセル剤を投与した際の絶対的経口バイオアベイラビリティが約82.0~106.5%と高く、経口及び点滴静脈投与ともにほぼ線形な薬物動態を示したこと、いずれの投与の際にも安全性に大きな違いが認められなかったこと等から、患者の状態や治療経過に応じて経口投与と点滴静脈内投与の切り替えが可能とされています」

 

んー、なんかパっとしないので、木元先生の「新薬情報オンライン」を読んでください(笑)。

クレセンバ(イサブコナゾニウム)の作用機序【真菌症】 - 新薬情報オンライン (passmed.co.jp)

 

では、薬剤情報です。

 

 

○クレセンバカプセル100mg

※点滴は保険薬局では処方されないので、割愛します。

 

【効能・効果】

下記の真菌症の治療
〇アスペルギルス症(侵襲性アスペルギルス症、慢性進行性肺アスペルギルス症、単純性肺アスペルギローマ)
〇ムーコル症
〇クリプトコックス症(肺クリプトコックス症、播種性クリプトコックス症(クリプトコックス脳髄膜炎を含む))

 

【用法・用量】

通常、成人には1回200mgを約8時間おきに6回経口投与する。6回目投与の12~24時間経過後、1回200mgを1日1回経口投与する。
 

※独特な服用法なので、「服薬指導のエッセンス第4版」掲載表に追加してください。

 

【重要な基本的注意】

・肝機能障害があらわれることがある。

・急性腎障害、腎不全があらわれることがある。

・本剤の投与に際しては、アレルギー歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

・ラット及びマウスにおいて発がん性が認められているので、本剤を長期投与する場合は治療上の有益性と危険性を考慮して投与の継続を慎重に判断すること。

 

【特定の背景を有する患者に関する注意】(抜粋)

・生殖能を有する者→妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

 

※「服薬指導のエッセンス第4版」表12-1(避妊の記載のある薬剤)に追加してください。

 

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

リトナビル
(ノービア)
コビシスタット含有製剤
(スタリビルド、ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス)
イトラコナゾール
(イトリゾール)
ボリコナゾール
(ブイフェンド)
クラリスロマイシン
(クラリス、クラリシッド)

本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある。

これらの薬剤はCYP3Aを強く阻害する。

リファンピシン
(リファジン)
リファブチン
(ミコブティン)
カルバマゼピン
(テグレトール)
フェノバルビタール
(フェノバール)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
フェニトイン
(アレビアチン、ヒダントール)
ホスフェニトインナトリウム水和物
(ホストイン)

本剤の血中濃度が低下し作用が減弱するおそれがある。

これらの薬剤等はCYP3Aを強く誘導する。

*ロミタピドメシル酸塩
(ジャクスタピッド)

ロミタピドの血中濃度が上昇する可能性がある。

本剤はロミタピドの代謝酵素(CYP3A)を阻害する。

 

※「服薬指導のエッセンス第4版」掲載表に追加してください。

 

【適用上の注意】(抜粋)

・本剤は吸湿性を有するため、服用直前にブリスターシートから取り出すよう指導すること。

・カプセルは噛んだり、粉砕したり、溶解したり、開けたりせず、そのまま服用するよう指導すること。

 

※「服薬指導のエッセンス第4版」表4-3(一包化を避けるべき薬剤)に追加してください。

 

 

その他の情報は添付文書等を確認してください。

 

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「服薬指導のエッセンス改訂第4版」が

2021年8月26日に発売されました。

自費出版のため、広告媒体がありません。

販売開始後1年以上経ちますが、まだ在庫があるようです😊

もし、よろしければ、周りの人にお勧め下さい。

今後もよろしくお願い致します。

 

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