久々に「服薬指導のエッセンス第4版」を製作する際にボツになったネタを公開する企画です。
ちなみに、今回は2回目です。今回のネタは、今となっては当たり前になったので削除しました。
 

「 これまで長い間、腎機能の臨床検査値に異常が認められる患者さんに対するスタチン系とフィブラート系の併用は「原則禁忌」でした。横紋筋融解症の副作用を発現する可能性が高まるからです。実際に私が薬剤師になった約15年前には、同時処方はまず見かけませんでした。

 しかし、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課は、20181016日、この併用について、添付文書上の「原則禁忌」から削除するよう日本製薬団体連合会に通知しました。現在では、この併用については「重要な基本的注意」の項に記載されています。

ちなみに、余談ですが、201941日より、添付文書における「原則禁忌」の項目自体が削除されます(経過措置:2024331日)。さらに「慎重投与」の項目も廃止されます。これらの注意事項は、新設される「特定の背景を有する患者に関する注意」の項に記載されることになると思われます。

現実には、201810月の厚生労働省の通達以前から、スタチン系とフィブラート系の併用はすでにあり、ここ数年、かなり増えたように感じます。おそらく、疑義照会をする薬剤師もまずいないと思います。ただ、この厚生労働省の通達は、併用が安全と言っている訳ではなく、腎機能が低下している患者さんの場合は、もちろん注意が必要です。

臨床では、スタチン系とフィブラート系を併用する場合、どちらかを朝食後に、どちらかを夕食後に服用するケースが多いように思います。このような場合は、副作用を防ぐ意図が明らかですので、服用時点を必ず守る必要があります。もし患者さんに「一緒に飲んでもいい?」と尋ねられた場合には、服用時点を守るように指導するべきでしょう。」

 

 

※ちなみに、現在のクレストールの添付文書を参照すると、以下のようになっています。

 

 

 

 

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「服薬指導のエッセンス改訂第4版」が

8月26日に発売されました。

自費出版のため、広告媒体がありません。
あまり売れていないとの噂が…(苦笑)
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