この前、私が勤める薬局に、久々にプロ・バンサインの処方が来ました。

数年に1回、処方が来るのですが、今回から「冷所保存」になっていました。

私、けっこう細かく情報をチェックするほうですが、漏れていましたね。

というか、購入履歴がある薬局にしか、情報が行っていないのかなぁ。

数年に1回の購入なので、購入履歴がないことになったのかも知れないですね。

 

冷所保存になった理由はこちら。リンクを貼らせていただきました。

https://www.ygken.com/2018/02/blog-post_10.html

 

まぁ、理由はどうであれ、「冷所保存」になってしまいました(苦笑)。

「服薬指導のエッセンス改訂第3版」にも掲載されていないので、表21-2に追加して下さい。

 

さて、プロ・バンサインの処方目的ですが、私の薬局の患者さんは、すべて「多汗症」でした。

皮膚科からの処方の場合は、まず「多汗症」です。

「多汗症」について、日本皮膚科学会HPから抜粋させていただきます。

 

多汗症には全身に汗が増加する全身性多汗症と体の一部に汗が増える局所多汗症があります。全身性多汗症には特に原因のない原発性と感染症、内分泌代謝異常や神経疾患に合併するものがあります。局所多汗症も原因のわからない原発性と外傷や腫瘍などの神経障害による局所性多汗症があります。原発性局所多汗症では手のひら、足のうらや脇という限局した部位から両側に過剰な発汗を認める疾患です。 

 

院外薬局にお見えるなる患者さんは、ほぼ原発性局所多汗症だと思われます。

ちなみに、「多汗症」に適応のある内服薬は、プロ・バンサインだけです。

抗コリン薬なので、口渇、便秘や眠気などには注意が必要ですね。

閉塞隅角緑内障、前立腺肥大症の患者さんには禁忌となっています。

 

服用法は、添付文書では「1回1錠、1日3~4回、適宜増減」ですが、

頓服の指示が出ていることも多いので、患者さんに確認が必要です。

例えば、プレゼンなどで汗が出る場合は、その1時間前に飲んでおくというケースが多いようです。

ちなみに「冷所保存」ですが、冷所保存後に25℃で保存した場合、1ヵ月の安定性が確認されています。

プレゼンの日に室温で持ち歩いても、問題ないですね。

 

さて、インターネットで検索すると「空腹時でないと効かない」というツイートを発見しました。

ちなみに、添付文書には食事の影響の記載はありません。

発売元のファイザーさんのHPで検索しても、食事の影響については発見できませんでした。

 

ただ、インタビューフォームに

「空腹時に単回投与した後、1時間で平均最高血漿中濃度に達した」(外国データ)と記載があります。

食後で効果を感じない場合は、空腹時に飲んでみるのもありかも知れません(推奨するものではない)。

 

※「服薬指導のエッセンス改訂第3版」が8月9日に発売されます。

自費出版のため、広告媒体がないので、書かせていただきました。

よろしくお願いします!

ちなみに、東京図書出版のHPで立ち読みができます。

興味のある方はぜひ見てみて下さいね。

https://www.tokyotosho.co.jp/info/syu/y10.html