「ミニマリズム」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。
「最低限のことしかしない。最低限の物しか持たないこと」と、大抵の人は考えると思う。
それに対して、よく「そうじゃないんだ!ミニマリズムの本質は、自分が必要とすることに全投資するために、不要な物を削除する考え方なんだ!」と必死に訴える人を見かける。(かくいう自分もその一人…笑)
でも、多くの人はそれを聞いて、( ゚д゚)ポカーン
となる。
思い浮かべるミニマリズムのイメージと、「必要とすることに全投資をするために不要な物を削除する」という訴えに違いがありすぎるからだ。
ミニマリズムは翻訳すると「最小限主義」。
その言葉を正確に理解するならば、
物は最小限。
買い物も最小限。
人付き合いも最小限。
贅沢も最小限。
楽しみも最小限。
というような生活スタイルを指すと思う。
その象徴が、メディアでも取り上げられて有名になった佐々木典士氏の”あの部屋”だ。
この部屋で、修行僧のような生活をする人が「ミニマリスト」だ。
多くの人はそう考えるだろう。
でもそれも無理はないと思う。
名称が「ミニマリズム」なのだから。
「”必要なことに全投資する”というフレーズが欠けてるんだよー!!」と言われても、
名称自体にそのようなニュアンスはない。
では、なぜそのような名称になったのだろうか。
「ミニマリズム」が注目されだしたきっかけは、”普通の人と比べて、相対として物が少ない”ということが世間の注目を浴びたことである。
だから、当時のミニマリスト自身も、「私は物が少ない」「物が少なくても生きていける」みたいに、物が少ない珍しさを売りにしていたのだ。(佐々木氏が上の写真を公表するのも、そのような意識の表れと言える。)
今でこそ、「必要なことに全投資するためにミニマリズムをやっている」「ミニマリズムをやって自分をブラッシュアップさせたい」と言う人が増えてきたが、当時は”物の少なさ”をガンガン追及して、ミニマリストも「物が少ないミニマリズム最高ー!!」と叫んでいた印象がある。
そこから始まった「ミニマリズム」だ。誤解されても仕方がない。
ミニマリズムの本質を伝えたいなら、「ミニマリズム」という名称は不適切だと思う。
「進化」という意味のEvolutionにismをくっつけた「Evolutionism(エボリューショニズム)」
とか、
「前進させる」という意味のAdvanceにismをくっつけた「Advancism(アドバンシズム)」
など、ポジティブなニュアンスを含んだ言葉を選ぶべきだ。