年齢が変わらない系アニメは、長期連載が続くとどうしても時代錯誤的な部分が出てきてしまう。
「クレヨンしんちゃん」もその一つである。
野原家の大黒柱である 野原ひろし の暮らしぶりについて話題になることが多い。
皆さんは 野原ひろし についてどのようなイメージをお持ちだろうか?
ここで、野原ひろしのスペックを簡単に紹介しておこう。
◆年収:650万円
◆年齢:35歳
◆職業:霞ヶ関にある双葉商社にて勤務する商社マン。係長。
◆居住環境:埼玉県春日部市双葉町在住、庭付き木造一戸建て(4DK)推定占有面積84㎡
◆家族:妻、子供2人、ペット1匹
◆マイカー:有
・・・。
まず、年収と年齢を見て驚くはずである。
650万円は十分勝ち組に思えてしまう。マイホームだって持ってるんだし。
そして年齢。子供が2人いて、作中でも何だかんだ頼り甲斐があるパパとしてその貫禄を発揮している様子を見ると、40歳前後かと思えてしまうが、まさかの35歳。新婚夫婦の年齢ではないか...。
明らかに設定ミス?そうだ、設定ミスだ...!(現実逃避)
しかし、これは紛れもない普通の設定である。何の間違いもない、普通の"かつて豊かだった頃の日本"の設定である。
むしろ連載当初、野原ひろしは「冴えない中年サラリーマン」という設定だった。
みさえやしんのすけからも「安月給」などと文句を言われている。
これは紛れもない事実。
年収650万円でマイホームマイカーを所有していながら家族からは「安月給」呼ばわりされる・・・。
ちなみに求人情報・転職サイトDODAの2014年の調査では650万円は上位22%に入るとのこと。
それってさすがに上流ではないにしても、中流の中でもほぼ上流に近い中流。
今のご時世、それで「安月給」などと呼んだ暁には罰が当たる。
それにしても、重要なのは当時の感覚で今の日本において88%の人は「安月給」で働いているということである。
国の貧困化。
日本が貧しくなっているというのは事実のようだ。
1人の人間は、年齢とともに年収も増えていくから気付きにくい。
しかし、このように昔の35歳と今の35歳を比較してみると、明らかに世の中の経済状況の変化を思い知らされる。