月曜火曜休みにシフト変更するために変則シフトで3連勤。
店舗からの圧力が酷すぎるので、僕と店舗のマネージャーのシフトをずらそうという算段らしいけれど、正直僕はあまり気にしていないので、どうでもいいことに巻き込まれた感じだ。
火曜休みにされるとシネマネコさんが火曜定休日なので逆に困る(笑)
休みの日には転職に向けた動きもしないといけないので、週に二日の休日をうまく配分したいのだ。
今日は朝、市役所に行って転職先への提出用に住民票を取りに行ってから、シネマネコさんの11:55上映回を鑑賞しに行った。
受付がいつもの人ではなかったので、いつものB-5の席を指定すると「前から2列目ですがよろしいですか?」と聞かれたけれど、その時にいつもの人がカフェコーナーからやってきて、目を合わせてお互いに苦笑いしてしまった。
その後、いつもの人と短い時間話していたけれど「今日が最後じゃないですよね?」と気にかけてくれているのが嬉しかった。
一応、予定では最後に観にくるであろう作品は決めてあったのでそれを伝えた。

映画大好きポンポさん※下記のストーリー部分は過去記事に加筆修正を行っています。
インタビューに答えるマーティン、ナタリーの映像。

そして、ニャカデミー賞授賞式のオープニングセレモニーが始まる。

舞台はハリウッドをもじった「ニャリウッド」。
コルベット監督の現場で主演のミスティアが巨大な蛸に襲われるシーンが撮影されている。
製作アシスタントのジーンは、メモをとりながら仕事をしている。
そこに現れたのはプロデューサーのポンポネット。伝説的な映画プロデューサー、ペーターゼンの孫だ。
敏腕プロデューサーではあるが、いつも“わかりやすい”B級映画ばかり作っているポンポさんにジーンがそうゆう映画が好きなのかを訊くと「ポンポさん、なんでも面白くできちゃうのよ」と答えるポンポネット。
「女優を綺麗に見せられたら映画はヒットするの」
そう言って、ポンポネットはB級映画ばかりをプロデュースしていた。

翌日、オーディションの時間に遅れたジーン。
バスの中から見えたナタリーの姿に見惚れていたため降車できずに遅刻したのだ。
ジーンが会社に着くとオーディションを終えたナタリーとすれ違った。
ポンポネットに怒られながらの日々も、ジーンはポンポネットのアシスタントとしてすでに1年以上が経っていた。
コルベット監督作品の試写を終えた後、ジーンはペーターゼンに話しかけていた。
ジーンが気になっていたこと、それはなぜ入社できたかということ。
「プロデューサーは人を見抜く仕事だ。ポンポが君を選んだのだから、きっと何かあるのだろう」
ペーターゼンフィルム社にジーンが入社できたのは、ポンポネットが面接で受けたジーンの印象だった。
ジーンが直接ポンポネットに訊ねると、ジーンの目が誰よりも濁っていて、死んだような目をしていたからだという。
青春を謳歌した他の候補者よりも、自分の殻に閉じこもって社会から外れた人間。
だからこそジーンには自分なりの世界があると見込んだのだ。
「幸福は創造の敵。青春を謳歌して目を輝かせている人間はクリエイターにはなれない」
 
ポンポネットは幼少の頃、祖父のペーターゼンと過ごすことが多く、それも映画ばかりを見せられてきた。
幼い子どもにとって2時間を超えてじっとしているなんて苦痛でしかない。
だからジーンが「ニュー・シネマ・パラダイス」を名作だと言っても、納得しないのだ。
90分以内の娯楽映画がポンポネットの好みなのだ。
「観客に2時間以上も見せるなんて傲慢。削れるだけ削って見やすい長さにする」
 
ポンポネットはジーンにコルベット監督の映画の15秒スポットの編集を任せる。
要求項目は多いが、それを15秒で表現する。
ミスリードのためにオフショットまで使用したスポットはコルベット監督も絶賛するほどジーンの編集の出来は最高だった。
それによって全てのスポットをジーンが編集することになった。
 
そんなある朝、ポンポネットが脚本を書いた「MEISTER」をジーンに読ませ、その感想を聞いたポンポネット。
ジーンの感想はポンポネットの感性に合致していて、感想を聞きながらポンポネットはニヤリとしていた。
主人公を演じるのはほぼ引退状態の伝説的俳優マーティン。ポンポネットがペーターゼンの力で交渉し、10年ぶりの映画出演となる。
映画は「帝王」と呼ばれた指揮者が失敗し、落ちぶれていく中で出会った少女との交流、そして大自然に癒やされ、再び音楽の道へ戻っていく物語。
その少女が非常に重要な役どころになるが、そのヒロイン役に抜擢したのは全くの新人ナタリー。
ナタリーに髪を短くさせてオフィスに呼んだポンポネット。
その姿を見たジーンは、まさにヒロインの“リリー”だと感じた。
そして、ポンポネットはジーンを監督に決定した。

ナタリーは工事現場でバイトしながら女優を目指していたが、オーディションは30連敗。そんな失意の中でも元気に笑っていこうとしていた時、審査落ちしたオーディションのプロデューサーであるポンポネットから電話を受け、呼び出された。
ナタリーにバイトを辞めさせ、ミスティアの付き人として一緒に暮らすように指示を出した。
ミスティアとともにジムに行き、演技指導を受けるナタリーが、次にポンポネットに呼び出された際に髪を切るように言われた。
そしてやってきたポンポネットのオフィスで、ジーンと会ったのだ。

関係者が集まるパーティ会場で緊張しているジーンとナタリー。
「一番観てもらいたい誰かのために作ればいいんだ」
コルベット監督から助言を受けるジーンは、ポンポネットを見ていた。
マーティンは気さくではあるが大ベテラン。ナタリーが相手役と聞いてがっかりしてしまう。
そんなこともあってナタリーは落ち込んでいたが、ジーンも“監督”と呼ばれるだけで緊張してしまうほどの自分の不安を吐露した。
「でもポンポさんが君を選んだんだから、君には魅力があるんだよ」
ジーンは自分に言い聞かせるようにナタリーに語っていた。 

そして撮影はアルプスで始まった。
マーティンがスタッフを含めてみんなで意見を言い合おうと提案したことで、チームが一丸となって制作に入っていった。
天候不順や予定してたヤギが集まらないなど、トラブルがいくつも重なるがその全てを逆に利用して、みんなのアイデアを交えながら撮影は進められていった。
そして雨上がりの空を見上げるマーティンとナタリーの姿を撮影していた時、ポンポネットはニャリウッドでの準備のために先に帰国した。
去り際にポンポネットは「この映画、ニャカデミー賞とれるわ」とヒットを予感していた。

そんなロケの最中、高校時代の知人アランと再会するジーン。
アランは大手のニャリウッド銀行に勤めていたが、退職を考えていた。
高校時代、アランとぶつかってノートを落としたジーンに「下ばっかり向いてないで前を見ろよ」と言葉をかけたアランは、映画監督になったジーンに「あの時の言葉を撤回するよ、お前はずっと前を見ていたんだな」と言うのだった。
 
クランクアップした後の打ち上げパーティでナタリーが声をかけてもジーンは上の空だった。
「役者はここで仕事が終わりだけど、彼はこれからが大変なのよ」
ポンポネットは、編集に臨むジーンの心境をナタリーに説明した。
しかし編集に入るとジーンは、何度も止まってしまう。
削っても削っても尺は縮まらず、テクニックに頼った編集はどれも凡庸なシーンになってしまう。
オーストラリアにロケハンのために出かけていて不在のポンポネットに代わり、社内で見かけたペーターゼンに相談したジーン。
「なぜ映画を観るのかね?そこに自分を見るからじゃないのか?」
その言葉にハッとしたジーンは、主人公の心情がまさに自分だと感じながら編集していった。
映画の中の、音楽しか生きる道のない男の姿は、映画しかなかった自分の姿とピタリと重なっていくのだった。
そうやって映画の主人公に自分を重ね合わせて編集を進めたが、やがて重要なシーンが足りないことに気づくのだ。

出張から戻ったポンポネットに編集ができていないこと、シーンが足りないことを説明するジーン。
「映画は一人では作れない」
ポンポネットは、追加撮影の費用を出すのも、キャストやスタッフを再集結させるために交渉するのも自分だと言い放つが折れないジーンに、ニヤリとするのだった。 
結局、試写が行えなかったことでスポンサーが降板。資金調達の問題から製作はストップしてしまう。
そのことは大きく報道され、作品のイメージは落ちてしまう。
そんな中、アランが退職を願い出ようと訪れた上司のオフィスで、ジーンの名前の入った書類を見つけた。
映画への出資の件だったが、ニャリウッド銀行は断る予定だという。
それをアランは引き受けた。そしてポンポネットとも打ち合わせを行った。
「ようこそ、夢と狂気の世界へ」
アランの心意気に感動したポンポネットは握手を求めていた。
アランは融資会議で必死にプレゼンを行った。
その中で使用されるのはマーティンやナタリー、ポンポネット、ジーンのインタビュー映像。
しかし「公開前に評判を下げた映画はヒットしない」などの理由で否決されてしまうが、食い下がるアランは、数字で説明しろという役員たちにネットの数字を見せた。
その会議はネット配信されていたのだ。
その影響はクラウドファンディングでの数字の上昇でも明確だった。
そして視聴数が最も上がったのはジーンのインタビュー映像のシーン。
「若者の夢を応援したい」
しかし勝手な配信行為で解雇を宣告され「夢は金にならない」と嘲笑われるアラン。
そこへ配信を観ていた頭取が現れ「ここ数年で最も面白いプレゼンだった」と絶賛し、配信を切ることなくクラウドファンディングの最終額の10倍の融資を宣言した。
「ニャリウッド銀行は、夢を応援する」
 
アランの尽力で予算が確保され、追加撮影されたのは、帝王がその称号を得るために「捨てた」もの。
音楽界で頂点に立つために家族を捨てたのだ。
だから帝王の指揮には感情がない。
感情を込めるべき【アリア】の表現ができなかったのだ。
 
そして再び編集に没頭するジーンだったが、過労のために倒れてしまう。
一週間後に迫る試写。ジーンの容態は一週間の安静が必要だと言われた。
ポンポネットは仕方なく別の人間に編集をさせようと決めながらも、病床のジーンに「観たかったぞ、君の映画」と寂しそうに呟くのだった。
ジーンは、目覚めると病室を抜け出し編集室にこもるのだった。
「ここでこれを奪われたくないんだ」
さらに編集に没頭していくジーン。
「何かを得るためには何かを捨てなきゃならない。友人を、家族を・・・」
主人公と自分を重ね合わせ、膨大なシーンを編集していくジーン。
「切れ!」

そして映画「MEISTER」は完成。
今までどんな映画を観てもエンドロールが始まるとさっさと席を立っていたポンポネットはエンドロールが流れ切るまで座っていた。
「この映画が観たかった。監督になったね」
 
ニャカデミー賞の主演男優賞、主演女優賞などを獲得していく。
そして、監督賞を授賞するジーン。
この映画のお気に入りは?というインタビューに対してジーンは答える。
「上映時間が90分というところです」
そして「MEISTER」は作品賞も授賞した。

2021年の11月にシネマネコさんで観た作品が再上映されるので観たいと思っていた。
予定がそこそこ埋まりつつあったので、難しいと感じてはいたけれど少し無理をしてでも観ておこうと思ってシネマネコさんへ。
それほど面白い作品だ。
とにかく映画を作るということの現実を見せつけてくれるのだ。
だから映画について語るセリフの一つ一つに奥深いリアリティがある。
プロデューサーの仕事能力は、人を見抜く能力であることは間違いないし、それが一番の仕事だ。表立っては資金繰りが大きな仕事だと思われがちであるが、本来はそれは二次的なもので、誰と仕事をするかということが一番重要なのだ。
凡庸な僕でさえ、企画のたびにスタッフ編成は相当慎重に行ったし、安定したものだけでなく冒険的な組み合わせにトライすることもあった。
またポンポネットが「2時間も3時間も観客を座席に縛り付けるなんて、この時代に優しくないし作り手の傲慢よ」と言い切るのも納得できる。
なによりこの作品では“編集”の苦しみが見事に表現されているのが素晴らしいのだ。
ナタリーが自分のカットが切られていくのを目の当たりにしてショックを受けるシーンでは、それでも切っていかなければならないという現実をまざまざと見せてくれるし、全てを“切って”作品に没頭していくジーンの姿は、まさに編集にノっている時の心情そのものだ。
今回、印象的だったのはペーターゼンとジーンのシーンだ。
映画を観るということ、作るということをとてもはっきりと語ってくれている。
そして改めてアランのプレゼンシーンが最高潮の感動を与えてくれた。
なんでも“こなして”きたアランは、なにもやってこなかった自分に気づき、必死に映画を作ろうとしているジーンのために奮闘する。
このシーンこそ、社会不適合者とポンポネットに認められてクリエイティブの世界に入ったジーンと、青春を謳歌して目を輝かせた一般社会人アランを象徴するシーンだろう。
「幸福は創造の敵」
これは本当に的を得た表現で、昔からよく言われてきたことだ。
何かを創り出すことは本当に苦しい。その苦しみは、穏やかで幸福な生活を送っている人には耐えられないだろう。
たとえ幸福だとしても、それを実感してしまったらクリエイティブは終わりだ。
だからこそ、完成した後に仲間たちを呑む酒が美味い。
どんなに苦しかったとしても、最後に笑って酒を呑めれば良い。
金がなくても、良い。
そんな風に考えているから、僕も社会不適合者としてあの世界にいられたのだろう。
シネマネコさんへ行く前に、市役所へ行って住民票を取りに行った。
市役所なんて僕にとっては滅多に用がある場所ではないけれど混んでいた。
みんな何しに来ているのだろう?(笑)
とはいえ、この市役所もなぜか思い入れがあるもので、青梅に転入した際に感慨深かったことを思い出していた。
上映時間に間に合わないかもしれないと思ったけれど、ちょうど良い時間で手続きが終わった。

今日は、久しぶりに21世紀少年と会う約束をしていたけれど、夜中にインフルエンザかもしれないという連絡があって、予定が流れてしまった。
今年はインフルエンザにずいぶん予定を壊されているけれど、体調不良は仕方ないものだ。どんなに気をつけていようと、病気になってしまう時は病気になる。
彼をくら寿司へ連れて行く予定だったので、すっかり寿司の口になっていたけれど、普段の休日と同じく3000円分のマクドナルドで昼食を済ませた。
九州に行く前に、彼に会えるだろうか?
まぁ、彼には言ってないのだけれど(笑)
ふと心配になって、今週に予定している食事会の相手にも連絡してみた。
彼女とは1月に天ぷらを食べに行く予定だったけれど、この子のインフルエンザで当日キャンセルになりかけた。まぁ、天ぷらは別の子と食べに行ったのだけれど(笑)
体調はやや崩しているようだけれど、おそらく大丈夫だとのこと。
この子との食事会も、次があるかはまったくわからない。
最後になるかもしれないので、できれば元気に会えたらいいなって思いながら、とりあえず当日までドキドキしておくしかない。

去年の11月以来なので、予定通りに会えるといいな。