2連勤を終えて久しぶりの2連休。

ようやく年末年始の変則シフトを終えて、これからは通常シフトに戻る。
売れない日々で、正直あまり仕事をした気がしないけれど、先日の“さわやか”さんの想い出があるため、倖せな気分で過ごせた(笑)
とはいえ、疲れも溜まっているのを感じていたので、今日はとにかく寝た。
もともと今日は、この半年ほど恒例となっている月一の男子会の予定だったのだけれど、仲間の一人が元旦から風邪で休みが続いていたのと、本人も喉の不調で回復の兆しがないとのことだったため、予約していた店をキャンセルして、今月の男子会は中止となった。
なので昼前まで寝て、日中は日用品の買出しをしたりしつつ、シネマネコさん、18:15上映回の鑑賞に向かった。

スタンプが溜まっているので、今日は無料で鑑賞できる。
いつもの人のいない時間帯。

いつものB-5を指定すると「前から2列目ですがよろしいでしょうか?」と、僕の顔をまだ覚えていない新人スタッフに訊ねられた(笑)

キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク
「生まれ育ったニューヨークが大好きだった」というキャロルの独白。
キャロルは離婚後、人生をやり直すためにカリフォルニアに移住した。
【ソングライター】として移住し【シンガーソングライター】となってニューヨークに凱旋するのだ。

プロデューサーのルー・アドラーは、ソングライターのキャロルがアーティストのために作った曲のデモテープを、誰もが聴きたがり、戻ってこないことなどから、それまで裏方だったキャロルの演奏の魅力に気づいた。
そしてシンガーソングライターとしてキャロルを表舞台に立たせたが、キャロルはステージに立つことを嫌がっていた。
そんな中、1971年に発表したアルバム『つづれおり』が史上最高の売り上げを記録。
キャロルは『ファンタジー』のアルバム制作に入ったが、決してツアーには出なかった。
二人の子どもを育てる時間を大切にしていたし、ツアーが子どもに与える影響も考慮してのことだった。
しかし『ファンタジー』のアルバム制作の仲間と一緒に行けるなら、ということで1973年、ついにツアーに出るのだった。
会場はニューヨーク・セントラルパーク。
ルーの発案で、そのコンサートは“フリーコンサート”となった。

様々なスタッフがこのコンサートの成功のために準備を行った。
リハーサルで会場に入ったキャロルは「ここが埋まるのね」と緊張した。
1973年5月26日。
ツアーを行わないシンガーソングライター、キャロル・キングの凱旋コンサートに集まったのは10万人。
当日は雨予報で曇っていたが、いつしか晴れ間が広がっていった。
そしてキャロルがステージに立つ。
【Beautiful】の歌唱が始まると、会場は興奮に包まれていく。
その後も『つづれおり』の世界観を、キャロルとキャロルのピアノで弾き語っていく。
【Home Again】では、自分の命も与えてくれたニューヨークへの想いを込める。
【It’s Too Late】で1部の演奏を終えたキャロルは一度ステージを去り、バンドメンバーとともに再入場してきた。
バンドメンバーを紹介している途中、ファンの女性が遠くから花束を捧げようとした姿に「ありがとう。でも難しいみたい」と一度は断るが「OK、まわして!」と観客がその花束をまわしあって、ステージのキャロルに届ける。
キャロルがツアーに出た理由。
『ファンタジー』のアルバム制作を終えたくないほど、楽しい仲間たちとの時間を引き伸ばしたかったから。
【Fantasy Beginning】で始まった2部は、バンドを加えてのもので、会場の熱気はさらに高まっていった。

そんな中、会場の観客たちがスピーカーや照明用の足場を組んだタワーによじ登り始めてしまう。
タワーは揺れ、危険な状態。
ルーに耳打ちされたキャロルは、彼らに「うるさいことは言いたくないけれど、コンサートが中止になってしまうの。どうか降りて、座って」と語りかける。
ルー達も注意喚起して、数分間コンサートは中断状態にさえなる。
タワーに立っていた人々が座り始めたので、再開。
コンサートも終盤になり、キャロルは「次の曲は皆がよく知っている人に捧げたいの」と語ると会場から「ジェイムス・テイラー!」と声がかかる。
「人生の恩人だわ」
そして唄いだした【You’ve Got A Friend】。
会場内の恋人たちは、その歌を口ずさみながら、優しく寄り添い、抱き合う。
演奏を終えたキャロルはステージ裏の車に乗り込んでセントラルパークを後にした。
「すばらしかった」と評するルー。
「キャロルにとって、セントラルパークに、ニューヨークに帰ってきたこと、それが一番大事だったんだ」

その後、ルーが会場にゴミの回収に協力することを観客に要請し、会場は片付けに入っていった。

キャロル・キングのことは正直、名前に馴染みがないくらい知らなかった。
これまでもシネマネコさんでは、様々なライブ映画の上映があったけれど、タイミングが合わず一作も観れていなかったこともあり、今回初めて観てみようという気になって鑑賞した。
それなのに、冒頭から目頭が熱くなってしまった。
確かに、こんなデモテープが送られてきたら、他のアーティストに唄われてしまう前に自分の耳で聴きたくなるだろうっていうくらいパワフルなものだ。
なにより、ツアーに慣れていないキャロルの姿が魅力的だ。
故郷への恩返しと言いながらも、耳の肥えたニューヨークの人々の前で唄うのは、とてつもないプレッシャーだろう。
ルーが「大成功だった」と語るように、キャロルの歌声はニューヨークの人々を魅了し、興奮を生んでいったのが、スクリーンからも伝わってくる。
その後のセントラルパーク・コンサートの先駆けであり、このコンサートは伝説といわれている。

キャロル・キングを知らない、ということは作品に出てくる18曲の“名曲”たちをまったく知らないということでもある。
そんな僕でも楽しめてしまうのが、コンサートというもので、音楽の凄いところだろう。
実際、僕は街中でのライブパフォーマンスでさえ夢中で観てしまう時があるし、全く知らないアーティストのライブでもしっかり盛り上がって、感動できる。
ただし、条件としてはそのアーティストに魅力を感じた時だけだということ。
観客を、通行人を引きずり込むほどのパワーがあってこそ、アーティストだ。
そんなパワーに触れれば、惹きつけられるのは当たり前だ。
メジャーであるとかインディーズであるとか、マイナーだとか、そういったものは生のパフォーマンスでは関係ないのだ。

生の迫力を伝えられるパワーのある人は、どんなにマイナーな曲であっても人を惹きつける。

それが“才能”だろう。

最も印象的なシーンは、なんといっても花束を受け取るシーンだ。
こうゆうところでは紳士的にちゃんと協力してステージに届けられる観客たちなのに、その後は足場に登ってしまうのも印象的だ。
それにしても10万人が集まっても、セントラルパークのほんの一部でしかないなんて、この公園はどれだけ大きいのだろうか(笑)

日中の買い物の際、小腹が空いてきたのを感じたのでマクドナルドさんで軽めの昼食を摂った。
なんだか僕の興味をそそる限定メニューがあったので、食べてみたけれど、どちらも美味しかった。
なにより、マクドナルドさんでもd払いができるようになったのは有り難い(笑)
怪談【雪おんな】の舞台になったといわれる調布橋付近。
12月に桜が咲くような暖冬のこの冬も、夕方になればやっぱり寒い。
青梅もようやく最近、朝晩は氷点下の気温になってきた。
【If winter comes, can spring be far behind?】冬来りなば春遠からじ。
これから一気に気温の下がる日を迎えるけれど、それこそが春の足音だ。
尤も、僕に春はやってこない。

なんとか楽しみな予定を作っては、冬の寒さをごまかしていくだけ。
来週に予定している食事会を楽しみに待ちつつ、明後日から通常シフトの5連勤。
一日2万5千歩以上を歩くだけの日々。
独りの寂しい時間にも慣れてきたけれど、時折堪えきれなくて涙がにじみ出てくることもある。
冬の美しい夕空や、夜空の星、澄み渡る青空を見れば、訳もなく自然に泣けてくる。
僕の長い冬の終わりは、きっと春ではない。