郷愁 | 覚え書き

郷愁

桜が満開のこの時期に、期せずして母校を訪れることになり。
たとえば近所の高校生が、休日に部活をしているのを見ても
そんなに強い感情は起きないのに、
自分が着てたのと同じ制服を着たコたちだと、
どこかから何かがあふれてくるような気持ちになるのは、なぜなんだろう。

だらだらと続く坂を上りきった場所にあって、まわりは田んぼばっかりで。
風向きによって、遠くを走る電車の音が聞こえてた
今考えたら、ありえないほどいい環境なのに、
なんであの頃もっと一生懸命勉強しなかったんだろうと言って、笑われる。
現役時代、卒業生から散々聞かされて、でも当時は全然ピンとこなかった話を、
今自分も後輩に言おうとしていることのおかしさ。

今年から、この学校もセンター試験の会場になってよかったよね。
泊りがけ(!)でセンター受けなくてもいいし、って言ったら、
「一番ラクなのは隣の女子高。前日に会場準備しなくていいからさ。」
という教師の友達の言葉に、あ~そっち側の視点なんだ、とはっとする。

1年くらい、ここに通ってみたいと思ってしまったのはたぶん
満開の桜のせい。
そして、満開の桜の時期に私をここに呼び寄せた人との別れの寂しさのせい。