国鉄時代、国労だか動労だかがまだ元気だった頃、遵法闘争というのがありました。待遇改善のためにストライキをすれば、扇動者は処分されますが、その代わりに法律を守ろうってんですからお咎めなしだったのかもしれません。なぜ遵法が経営側への嫌がらせになるのかと言えば、法を守っていたのでは、特に首都圏などでは通勤客をとても捌ききれないからで、それなら遵法より違法のほうが正しいということになります。
僕はクルマの運転も同じことだと思ってますから、正直なところ前のクルマを軽く煽って意思表示（？）することはあっても、煽られた経験はほとんどありません。稀にボ～ッとしていて後にピッタリくつかれて・・・なんてことはありますが、それに気付けば後続車に手を上げ一気に加速するか、さもなければ道を譲ります。基本的に道路は自分ひとりで走っているわけではありませんからね。運転に関して僕が第一に考えることは、なるべく人様の邪魔にならないようにすることで、そのほうが事故を起こしにくいに決まってます。・・・まあね、おかげさまで確かに年中眉を顰められていますですよ、はい。ただね、言い訳するわけじゃありませんけど、ローマで女房がケラケラ笑ったのは、イタ公の運転が僕とまったくいっしょだったからで、歴史的にローマはヨーロッパ唯一の都会ですから、ローマ人の所業はイギリスやドイツあたりのイナカもんからはやっぱり危険運転にしか見えないんでしょうね。
今時は制限速度以下で走っているオレ様のどこが悪いんだと考えている人たちが大半のようで、こういう方々とは百年議論しても溝は埋まりません。なんたって悪いのはこっちですからね。そんなことはわかってます。でもアンタだけの道路じゃねぇんですから、少しくらい他人への配慮があってもよかろうがとは思いますよ。流れにすらついていく気がないのなら、そりゃ後続車への嫌がらせってもんで、そうじゃないならよけてくれてもいいんじゃぁねーの？ぶち抜いてスピード違反で捕まったからって、アンタのこと恨んだりしないんだからさ。首都高にしたって高速道路とは名ばかりで、ほとんどの区間が時速６０キロ制限。しかも右車線は追い越し車線じゃありませんから、右側をゆ～っくり走ってもいいんです。だから横羽線じゃみんなの憧れ横浜ナンバーはそうやって走ってます。でもさ、頼むから急がないんなら左側を走っておくれよ。一般道だってキープレフトの原則ってもんがあるんだからね。春日部ナンバーは春日部ナンバーで、タイミングの取り方がなっちゃなくて、とっくに前へ入れるのに入らないから、もう入らないだろうと思って加速すると急に入ってきて、しかも入ったらサッサと行ってくれりゃいいのに、安心して一服してやがるのか、もたもたもたもたしてくれます。全国の交通事故の４割が交差店内だそうですが、埼玉に限ってはそれが６割だとか。あんな運転してりゃ当たり前ですよ。一度山手通りを走ってたら、中野坂上交差点の手前で左車線が急に動かなくなってしまい、ははぁ・・・こりゃ５台くらい前に春日部ナンバーがいて左折しようとしてるんだろうなと思って、僕は春日部ナンバーの後は走らないことにしてますから、サッと右に割り込んじゃったんですけど、交差点にさしかかったらホントに５台前の春日部ナンバーが左折しようとしてたんで笑いました。それくらい特徴的な運転ですよ。だってクルマの台数から言えば絶対に混むはずがないのに、あのエリアじゃ特に日曜日なんて渋滞して動かないんですから。でもみんながそうだということは、ドライバーの運転に問題があるんじゃなくて、埼玉県公安委員会がアホでマトモな指導をしていないということでしょう。あのエリアでイッパツで縦列駐車キメたら、拍手喝采浴びたことがあるくらいなんですから。運転技術を教えもしないで、安全確認だけ教えて免許やったって事故なんか減るわけがありませんよ。全国平均と２割も違ってて、それをドライバーのせいにしようったって、そりゃ無理。そんなことだから埼玉県警のやつらと話してても、まったく噛み合わないんです。
そこへもってきて自動運転のクルマだなんて、もっとイヤだってんですよ。あんなもの制限速度で走るに決まってんですから。間違いなく都心なんかじゃ通勤時間が今の倍近くかかるようになりますよ。自分じゃ気付かなかったんですけど、僕は都心の混雑時でも普通なら１時間かかるところが、１０分くらい早く着いちゃうらしくて、だから急ぐ時はアイツのクルマに乗れって仲間内から言われてたそうですよ。だけど周りが自動運転のクルマだらけになっちゃったら、おそらくはすっかりお手上げで、もうどうにもならないでしょうね。だからヤだっつってんの。
それなのに既に市販されている米国ステラモーター社の自動運転機能を搭載したクルマが、ドライバーの死亡事故を起しました。前を走行中のトラックを避けて横に出た瞬間に逆光を浴び、それによってセンサーが働かなくなって、対向車線から交差点を左折中のトラックに思いっきり突っ込んだそうです。相手がトラックでなければそっちも死んでいたでしょう。ならば僕らだっていつなんどき自動運転車に突っ込まれて命を落とすか知れたもんじゃありません。それでメーカーとドライバーとの間で責任のなすりあいなんかぐずぐずやられたんじゃ、この身が浮かばれませんよ。この事故で知ったんですが、自動運転車にはドライバーとの間に過失割合が設定されているようで、自動の度合いを５段階に分けてそれぞれに割合を決めてあるんだそうです。おかしな話だと思いますね。メーカーは自動運転を喧伝して販売しているのですから、自動部分の多寡によらず常に５０対５０でいいのではないか。案の定ステラ社はドライバーの過失が大きいげなことを言っており、しかもなお人間が運転するよりもはるかに事故率は低いなどと嘯いてます。しかし逆光で暴走なんてのは明らかに構造的な欠陥車で、にもかかわらずその言い草は、かつてフォードムスタングに欠陥があることを承知の上で大量販売し、死亡事故を繰り返した時のアイアコッカを彷彿させます。彼曰く、大枚はたいて欠陥を修正するよりも、事故死した客へ見舞金を払うほうが安いのだとか。そんな国のクルマだもの、僕も嫌々コルベットに乗っていて、死にかけたことがあります。２８億円という当時世界一と謳われたアイアコッカの年俸は、失われた多くの人命の賜物でした。
欠点がバレてしまえば自動運転車に事故を起させるのはいとも容易いことで、これで要人の暗殺も楽になります。ということは、軍産複合体の米国なら、後発の自動運転車の弱点はあえて公表させずに利用するでしょう。いわば時限棺桶。僕はそんなもの絶対に乗りませんよ。
とにかく昨今は煽り運転がどうのこうのと喧しいですが、煽られたほうも加速するなりよけてやるなりすりゃいいじゃないですか。いくら１００％自分が正しいからといって、殴られたり蹴られたりすりゃつまらないし、ヘタすりゃ殺されちゃうんですから。そもそもオラオラ煽ってきてる時点で既に紳士淑女のわけがないんですから、んな理不尽なチンピラ野郎に意地張ったってはじまりませんよ。なんでみすみす避けられるトラブルをわざわざ背負い込むんでしょうか。・・・ああ、それから前を走ってるクルマに「Baby in Car」なんてシールが貼ってあるけどさ、天下の公道にまで自分の都合を持ち込んじゃって、いったいオレにどうしてほしいの？んでまた、子供がいるからってデカイＲＶ車に乗り換える人がいるみたいですけど、子供なんて２ドア車の後部座席にくくりつけとくくらいじゃなきゃ危ねぇって。どう考えても車に乗ったら飲み食いもせずにジッとしてろってのが正しい教育じゃないのかい？