真実三百六十一路 | 音楽のこと?話しだすと止まんないからなぁ~

音楽のこと?話しだすと止まんないからなぁ~

バッハジミヘンデイトンファンク!
嗜好も思考も偏ってますし、おぼろげな知識と主観で語ってます。違ってたらゴメンナサイ。

たりのプレーヤーが互いに手の内を明かしながら戦い、最後には必ず勝敗が決まるという、二人、完全情報、有限、ゼロサムというタイプのゲームには、必勝法があるということが証明されています。先手が「必勝位置」を選択し続ければ、後手はいかなる戦略を採ろうとも為すすべなく敗れてしまいます。

もちろんこの「ゲームの理論」など知るよしもありませんでしたが、僕は子供の頃、一所懸命○×ゲームの「必勝位置」を見つけ出そうとしました。同じ経験をされていらっしゃる方も多いと思います。しかし負けない方法、つまりは確実に引き分ける方法まではすぐに見つかりましたが、必勝法を見つけることはついにできず、とてもガッカリしたことを覚えています。今思えば、「二人、完全情報、有限」と言う条件まで満たしてはいても、引き分けという「フィフティーフィフティー」があるからには、必ずしも「ゼロサム」ではないということなんでしょう。ただ、その時に思ったのは、相手が同じ手筋を知っていれば、何度やっても必ず引き分けという結果ですから、これはもうやる意味がないと気付きました。即ち、結論が出てしまっている○×ゲームそのものには、ゲームとしての価値はなく、3×3の9桝ならばそこらの子供でもそうなります。

しかしこれが19×19の361路にもなれば、事情はまったく異なってきます。一目置くなどと言い、岡目八目、布石定石駄目死活・・・囲碁から生まれたフレーズは数多くなじみの深いものばかりなのは、大昔から大のおとなが寄ってたかって、勝つための苦労を散々していても結論が出せない証拠です。

囲碁将棋チェスオセロ・・・これら対局型ボードゲームにはまったく精通していません(というか、単なる弱いだけです)からわかりませんが、もしこれらにルール上引き分けがないなら、まだ発見されていないというだけで、必勝手が存在していることになります。また引き分けがあったとしても、○×ゲーム同様「絶対に負けない位置」は存在しているはずです。引き分けは先手の勝ちと考えればいいわけですから。そうすると、名人といえども常に間違った手を差しているということで・・・ということは、僕がたった五手詰めの詰め将棋問題が解けないというのは、問題そのものが間違っているからなんですね。だって正しい手を指してさえいれば、そもそもそんな局面にはならないんですから。

ところがひょっとすると、少なくとも囲碁に関しては、もう間もなく人類が紀元前から苦しんできた問題の解が見つかるかもしれません。目出度いですね~、だけど面白くもへったくれもありませんね~。

10年前くらいまで最強として君臨し続けた北朝鮮の囲碁AI「ウンビョル」に代わって、グーグルの「アルファ碁」は、昨年韓国人の世界一と言っていい棋士に圧勝し、最強の称号を得ました。この囲碁AIには「ウンビョル」の16個というCPUの数を大きく上回る1920個ものCPUが採用されています。そしてそのCPUに過去の膨大な対局データをぶち込み、3ヶ月学習をさせて最強の囲碁AIに仕上げたんだそうです。

ところが、最近この「アルファ碁」相手に百戦百勝した囲碁AIが現れました。その名も「アルファ碁ゼロ」。なぜ「ゼロ」が付いたかと言えば、このAIは囲碁のルールを教わっただけで、対局データなどは一切なしに、たったの3日で勝手に5百万回くらいセルフ対局を繰り返し「アルファ碁」に百戦百勝したとのこと。いやも~、来るところまで来ちゃった感じですね。これ、何億回もセルフ対局を繰り返せば、必ず「必勝位置」を見つけ出しますよ。そしてそれ以降は同じ手、つまりは「必勝位置」しか打たないということになるでしょう。こうなると誰が最強、どれが最強、あるいは人間がAIに敵わなくなった、などというレベルの話ではなくなってしまいます。要はそのゲームそのものに決着が着いてしまうということで、先手を決めるジャンケンで勝負が決まっちゃうんです。だからジャンケン必勝法の解明だけは死守しなければいけません・・・って、ありゃ「完全情報」ゲームじゃありませんから大丈夫・・・なハズですけど、でもこのぶんじゃわかりませんよ。

あれほど一世を風靡したルービックキューブが廃れたのは、解き方がバレてしまったからで、冒頭書いたとおり、二人、完全情報、有限、ゼロサムならば必ず必勝法があることはわかってるわけですから、近々必ず対戦型ボードゲームも終わってしまうでしょう。

近い将来僕らはAIに物事を判断してもらい、自動運転車で移動し・・・ならば脳も手足も不要になります。それなら生きている価値などありませんから、AIはそのあたりも判断して僕らを隅に追いやることでしょう。それに気付いた時にはデキのいいAIが安価で大量生産されていて、てあわててAIを破壊しようとしてもそうはいきません。AIの奴らは僕らが仕掛けてくることなどすべてお見通し。どうしましょ?

あ、そのうち円周率も割り切れちゃったりして。つまんね~・・・