快感は相対的なもの

 

 

美紀 うーん、正直あまり自信はないです。頭では何となく理解できても、快感を求めてしまう自分もいます。

 

岡本 それは前の章でお話しした、低級自我と高級自我の葛藤ですね。低級自我は快感を得るために奔走しますが、高級自我はそのような快楽が一時的なものだと知っていて、欲望を制御しようとします。これは一般的な意味での理性の働きです。

 高級自我について言えるのは、このような理性的な思考を増やしていくことです。物事の本質を捉えて、今だけ快感が得られればいいということではなく、それが自分の将来にどのような苦となって現れてくるのかを洞察することが大切です。結局のところ、今さえ良ければいいと刹那的に考える人は破滅へ向かい、自分の将来や人生そのものの全体性を考慮できる人は平安を得ます。

 

美紀 うーん、私は特に今のことしか考えてませんでした。

 そういう、快感がどう苦しみに変わってしまうのかを考えることが大切だってことですね。

 

岡本 そうです。人は自分の心の相対性についてほとんど注意を払いません。ごく簡単に言えば、「喜びだけ欲しい、苦しみは避けたい」と考えているのです。ですが、それは大きな間違いです。喜びと苦しみは相対的なものであり、喜びを得れば苦しみは避けることができません。

 例えば、美味しい食事をしていても、それがいつまでも続くわけではありません。お金がなくなって節約した生活をしなければならなくなったり、震災などの災害で避難生活をしなければならなくなったり、病気で美味しい食事ができなくなったとき、その人には苦しみが訪れます。それは心の相対性によるもので、喜びや快感を高めることが必ずしも幸福には直結しないのです。

 

 

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