年齢を重ねても元気でいることは、なぜ必要なのか?

 

ひとつは、「よりよく生きるため」。これからの社会の変化。かつての昭和の時代は60歳が定年でした。会社を定年で退職したら、後は社会の一線から退いて第2の人生を悠々自適に過ごす、みたいなイメージがかつてはあったのですが、今の時代は人生100年ベース。60歳での引退は早すぎます。

 

実際に60代からでも普通に仕事が出来る人が殆どではないかと思いますし、これからの社会をみてもそれが求められています。

 

それと、もうひとつ。「よりよく死ぬため」です。どういうことか?

 

もう少し先の話で、死に際して。人は誰でも必ずいつかはなくなる時が来ます。

 

この時に、魂が身体を離れて天に還っていくわけですが、この瞬間はたとえば、滑走路を走っていた飛行機が離陸して空に飛び出すようなもの。飛行機に十分なエネルギーと速度がないと空に飛び立つことはできません。

 

人間の魂が身体を離れる時も、同じように十分なエネルギーがその時にあれば、自分のこれまでの人生を詳細に丁寧に振り返ることができる。出会った人を一人一人思い出し、ありがとうを言うことができます。

 

「ああ、本当によい人生だったな。思い残すことは何もない」と素直に思えたら、未練を残すことなくあちらの世界にスムーズに移行できるのではないでしょうか(実際に体験したことがないので想像ですが)。

 

幕末の徳川幕府の重臣で、明治では明治天皇の侍従もつとめた山岡鉄舟は、皇居の方を向いて座禅をしたままなくなったと言われています。

 

死の瞬間まで自分をみつめられる。そのためにも生前の元気が必要なのだと思います。