GWに読んだ本では、こちらもよかったです。


タイトルに「ビジネスシーン」とありますが、ビジネスに直接関心のない人でも、十分に興味を持って読める内容かと思います。


帯の推薦者の言葉「仏教は、宗教というよりは、人生をより解像度高く理解するための学問であり、思考の体系」という言葉に深く共感。


ただ超越的存在を信じるというのではなく、自分の住んでいる世界をよりよくしていくために、世界をクリアに見ていくための方法論ということですね。


特によかったのが「無」と「空」の違いについて。


「無」と「空」は、一見同じ様な言葉に見えますが、「無」は文字通り「何もない」ことを現すのに対し、「空」は「ないものがない」ということ。


つまり、


「あらゆる可能性(ポテンシャル)が肯定されるゆえに否定するものがなくなった状態」

「あれとこれとの根源的な違いが存在しない真理を表した状態」

「あらゆる可能性が存在する海のようなもの」


みたいな感じが「空」で、「無」とは随分ニュアンスが違います。これまで何となく言葉では知っていたものの改めて「そっかー」と腑に落ちました。「本当に何でもあり」みたいな世界です。


この「空」の可能性の海から因果関係によって、この世界に現出したものが「色」で、それを現したものが「色即是空」「空即是色」ということ。


このなんでもありの「空」の世界を知っていくことで、因果を持った「色」がどんどん現出して、ダイナミックに私達が住んでいる世界が変化していく。そんな大きな可能性を感じました。