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つまり、何かしら背景があり意図的、あるいは可逆的にそのような使い方をしているというの考え普通かと思います。
その中見について考えなければ介入は遠回りとなってしまうと思います。
そこで今回は
脳卒中片麻痺者の起立時の伸展相に足部底屈・内反し、踵が浮いてしまう症例をイメージして私なりに筋・筋膜の観点から考え、触れられればと思います。
脳卒中片麻痺者の座位は以前このブログでも掲載(http://ameblo.jp/naotoiwasawa/theme-10092138384.html)
したように、麻痺側に骨盤回旋し、骨盤も麻痺側へ傾斜していることが多いかと思います。この段階で既にハムストリングスの緊張が高く、骨盤が前傾しきれないということは良くあると思います。
屈曲相で既に骨盤は麻痺側に回旋、それをカウンターするように体幹は非麻痺側へ傾斜・回旋し、起立します。そして離殿から伸展相で非麻痺側下肢は床面を押し付け、上半身の質量をさらに非麻痺側へ傾けるため、麻痺側へ蹴り込むような形となり、手すりで引き込んでバランスを取ります。
【IAIR脳卒中セミナー資料より:岩澤】
そうすると非麻痺側から麻痺側側、かつ後方に蹴り込む為、それを打ち消すようにどうしても体幹・股関節は屈曲します。そしてその非麻痺側からの力に対して釣り合いを作らないと転んでしまいすよね。
この非麻痺側からの力を腸腰筋・殿筋や四頭筋で支持できれば良いのですがこれば難しい。ということで先ほど述べたように体幹屈曲、骨盤回旋させ、広背筋や脊柱起立筋、筋膜張筋など筋から靭帯へ移行する比較的強靭な筋などの張力を使いながら、伸展しようとしているのです。
【IAIR脳卒中セミナー資料より:岩澤】
実質、伸展しようとしても広背筋や胸腰筋膜、腸脛靭帯などの張力は大きな安定となる情報源でありますので、そこの張力を外すことはできないんです。
そうすると、伸展したとしても膝だけ伸展している形となり、骨盤は麻痺側へ後退したまま、股関節もほぼほぼ屈曲した状態を保持し、膝は若干過伸ぎみに支持していることが多いですよね。
どうもこの広背筋、胸腰筋膜-殿筋膜-腸脛靭帯-前脛骨筋に繋がる支持構造と脊柱起立筋-仙結節靭帯-内側ハムストリングス-後脛骨筋の支持構造によって股関節から足部まである特異的なパターンに陥る要因(いわゆる伸展パターンによる足部内反尖足)の一つではないかと考えます。
可能性の一つに過ぎませんので他の要素も多いにありますが、少しそのような視点で見て頂けたら評価する視点が広がると思います。
決して足部だけの問題ではなく、麻痺側だけの問題でもありません。非麻痺側も含め評価できたらいいのではないでしょうか。
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