染名古屋帯 五郎蝶 | naosukeのきままなブログ

naosukeのきままなブログ

和物好きな、服飾系店番人の日々の気づきや発見、さまざまなことを気ままにつづっています。
くいしんぼうなので、食べ物にも興味深々(p_-)

染名古屋帯「五郎蝶」
歌舞伎舞踊「雨の五郎」主人公曾我五郎時致
(そがのごろうときむね)の衣装模様が五郎
蝶です。黒地に蝶を朱・金・ブルー・紫・草
色等で染めています。

染帯・五郎蝶大・黒

「雨の五郎」
曾我兄弟による仇討ちを題材にした長唄。
弟の曽我五郎が敵の目を欺く為に大磯宿
の化粧坂にあった遊郭の遊女・少将のもと
に通う姿を描いたもの。

染帯・五郎蝶小・紫

歌詞の一部
野暮な口舌(くぜつ)を返す書(がき)
粋(すい)な手管に乗せられて 
浮気な酒に宵の月 晴れてよかろか
晴れぬがよいか とかく霞むが春のくせ

染帯・五郎蝶小・黒

今まで、蝶の大小はあっても地色は黒や紫
しか作っていませんでした。昨年、お客様
から他の地色の問い合わせを頂きました。

舞台のイメージがありますので、他の色で
は五郎蝶にならい、そう考えていました。

パンフレット掲載品
染帯・五郎蝶小・朱

でも、違った地色があってもいいのではと
考えて今回は朱系の地色にチャレンジし
てみました。

地色を決める際には蝶の配色が立たない
のではと不安がありました。確かに濃い
地色の方が色が立ちますが、春の催事に
は明るい地色で良かったと思っています。

曾我物語
兄曽我十郎祐成(すけなり)と弟五郎時致
(ときむね)の父親河津三郎祐泰(かわづ
さぶろうすけやす)は安元2(1176)年10月、
所領争いで工藤祐経(くどうすけつね)の
配下に殺されてしまう。
曾我兄弟は苦節18年、建久4年(1193年)
富士の裾野での巻狩りで仇討ちを果たし本
懐を遂げます。
赤穂浪士の討ち入り、伊賀越えの仇討ちと
共に日本三大討ち入りのひとつであす。


父親が三郎、兄が十郎、そして弟が五郎。
バラバラですね。