今日は染帯の製作過程を少しご紹介。
染名古屋帯 「光琳の梅に縞」
父は歌舞伎も好きですが新派もまた好きです。
大矢市次郎、井上正夫、伊志井寛、水谷八重子、
市川翠扇、特に花柳章太郎を尊敬しています。
花柳章太郎著「きもの簪」に祖父福田屋千吉の
事を取り上げて頂き、終戦前後の疎開していた
時期を除いて、随分と納めさせて頂きました。
花柳先生の楽屋に下絵をお届けするのが父の役
でした。
花柳章太郎が演じた「明治一代女」、その衣装、
赤大名の着物のエピソードとして
終戦後の物資のない時、黒紋付の紋を隠して、
赤いペンキで縞を書いたそうです。
その赤大名の着物のイメージから3寸幅に太さ
1分の赤い縞。光琳の梅を二つ、梅のまわりに
蒔き糊を散らします。
梅は1/3程縞で欠けて約3寸、もう一つは少し
小さめに2寸五分程です。
蒔き糊は繊細・均一的よりも大胆に蒔いて妙味
を出します。
地は黒にしますので合わせやすい帯になります。
結城紬や染小紋などに良く合います。
格子の小紋に締めると、 粋 です。