地面へ引き寄せる。 | 日替わりライテク

日替わりライテク

イチローは、首位打者をとった年ですら、フォームを変えていたそうです。『今年こそ最高のフォームだ』と。それで結果が悪くなるときもあったけれど、後退も成長のためには避けられないと信じていたそうな。ここで書かれたライテクは、そんな感じの、現時点の知識です。

 Youtuberも始めました。

前サス(前輪)が常に路面に張り付いてる走り、とても安全ですので、ぜひ、見てね。

 

 

 

 

 この間の練習会で、なかなかタイムを出せずにいたところ、マーシャル中にCB300の人の走りを見て、ある違いに気づきました。

バンクといえば、ターンで考えがちですが、パイロン間の繋がり部分(コーナーでも直線でもない部分)で、バンク角が深いことに。

 

その箇所で同じようにバンクを深めてみたら、1Hごとに0.5秒縮んで笑いました。

 

 

 

本稿では、ターン時ではなく、ターンからの立ち上がり部分の動きについて考えます。

あくまで脱出シーンを想定してください。

 

 

 

 

 

 

バンクとは、どうやってやるのでしょう。

私の考えでは、「まず①リアサスが沈んで、そののち②バンクができる」ものだと思います。

 

 

サスが沈まない限り、バンクできないように思います。

 

サスが伸びていると、

1,倒しこむ(縦の)入力が、サスに(縦に)吸収される

2,トラクション不足による浮遊感

 

があるように感じます。

 

 

 

1について。

まず傾ける行程を考えましょう。

ある方向に体重が移動し、その移動した重心につられるように車体が傾くと考えられます。

 

 

たとえば、段ボール紙の上に指を置き、それを傾けようとする場合、とてもリニアに傾くはずです。

ところが、これがクリアファイルだったらどうでしょう。

フニャチンになって、あたかもその傾きにタイムラグがあるような気がします。

 

傾けるために斜め下に入力された力が、サスに吸収された結果、減退すると思われます。

サスは下からの突き上げも吸収しますが、上からの突き下ろしも同様に吸収してしまうでしょう。

 

 

 

2について。

サスが沈むことでタイヤが押し付けられますから、サスが沈まない限りトラクションがかからないことは、容易に理解できると思います。

トラクションが不足していれば、速度を高めたまま深いバンクを得ることはできないはずです。

スリップダウンしてしまいますから。

 

 

 

 

 

 

そこで、青太線の方向へ体重移動をしてみました。

 

 

 

まず、第一の問題として、脱出のため速度を上げると、遠心力が横方向に働きます。

また、エンジンパワーで加速すると、単純に車体が起きることも説明不要だと思います。

 

そこで、遠心力の真反対へと体重を移動しようとし、リーンインのような方向(水色線)に体重移動するのでは問題があると思われます。

 

なぜなら、第二の問題、サスの伸び力を抑えられないからです。

 

 

サスは一度沈めると、バネである以上、必ずリバウンドします。

単に横側に体重移動しただけでは、これを抑えることができません。

 

つまり、バンク中に速度を高めようとすると、横方向にかかる遠心力と、縦方向にかかるサス伸び力によって、

三次元の方向で車体を起こす力(桃線)が生まれると推理できます。

 

 

 

 

 

ここでもう一つ我々が誤解しがちだったのは、加速=リア荷重という思い込みです。

加速する時に後輪トラクションにばかり目を向けてしまい、車体の起き力を抑え込めていなかったのです。

 

後輪に対して縦(下)方向の入力をするのはよかったのですが、斜め方向に働く車体の起き力を抑え込めていなかったのです。

 

 

 

そこで、それらに一括して抗うには、斜め下への体重移動が適当な入力方向だと考えられます。

横と縦(上)に車体が引っ張られる力を、その体重移動で地面へと引き寄せる感覚です。

 

加速しながら立ち上がろうとするなら、桃線はより強力になるでしょうから、青線も頑張らないといけません。

 

 

 

 

『体を、車体の上で一直線』にする感覚です。

 

ここで重要なことは、車体の傾きより、(実質的に)体はさらに内側に行くということです。

バイクは弧の動きで倒れますから、その延長線上にある体は、バイクの傾きよりさらにせり出すことがお分かりいただけますか?

 

 

この状態で、斜め下に踏ん張るように体重をかけます。

このとき、内側ステップを踏みつけることも効果的に思います。

 

 

おらー!って加速する場面でやってみてください。

 

もっと傾けられるのに、もっと開けられる。

そんな楽しい世界が待っているかもしれませんよ♪