少しツヤの銀
いぶし銀
銀ねずみ色・・・
この色を見ると、いつも思い出すんだ
じいちゃん
いやじーちゃんって呼んでたっけ。
生まれは九州、福岡
岩窟そうな九州男児・・と思いきや
繊細で物腰の柔らかい
「好々爺」といった表現がぴったりかな。
激動の昭和、じーちゃんは
法律の専門家として
有名企業の顧問を努め、全国を転属しながら
名古屋に落ち着いた。
「名古屋が終の地になるとは
思いもしなかった、ハハハハ」
ばーちゃんの淹れた「お茶」と
せんぺいを頬張りながら幼い私に
優しく語りかける。
じーちゃん!せん「べ」いだよ!
九州出身の方なら
ば び ぶ べ ぼ の発音が違う事を
ご存知だと思う。
せんべい → せんぺい
カバン → カパン
セプンイレプン・・・コレは違うか(笑)
若い頃、胃腸の大病をして
ガリガリのフラフラ・・同級生からは
「あいつ、◯ぬんじゃないか」と
言われるほど青白い表情で
青スタンハンガリーと揶揄されたらしい
進学した高校で、その気なしに
始めた「ラグビー」
運命の出会いだった。
スポーツの楽しさに目覚め
体調もどんどん健康になったそうだ
スポーツで得た
健康という何よりの財産
数年ぶりに友人は
すっかり健康なスポーツマンに
生まれ変わったじーちゃんを見て
驚いたとか・・
よかったね、じーちゃん
もし病気のままだったら
俺、生まれてないものね(笑)
じーちゃんの耳が
餃子みたいになっていたのが不思議で
「どうして?」って
柔道もやってたんだよ
荒っぽい連中ばかりでなー
練習中に絞め技かけられて
なんど気絶したかわからんhaha
今でも腰が痛いぞー
寒い冬
ストーブの前ミカンをむきながら
話してくれたっけ
寒さが大の苦手
甘いものが大好き
じーちゃんはストーブの上に
ミカンを乗せて焼くんだ(笑)
じーちゃん、やめてよー
部屋中がミカンの匂いになっちゃう!
ミカンを焼くと
甘さが引き立って美味しいと
後年、笑い話で友人に話すと
「ウチもやってたぞ」
と意外に「焼きミカン」はやってるらしい。
そんな、文武両道でありながら
どこか「抜けてる」天然なじーちゃん
ストーブとミカンの焦げる匂い
ぐっと冷え込む師走の風景
祖父と孫の他愛のない会話・・・




