僕がロボット手術を受けてから 直腸がん ダヴィンチロボット支援手術 直腸低位前方切除手術 14 | なおそうやのブログ

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使い捨ての時代に逆行し
 「買わない」「捨てない」「諦めない」をテーマに
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麻酔投与や覚醒の時間を含め

足掛け8時間の手術に私は「耐えた」・・いや

実際「耐えた」のは医療チームで、私は気絶していたのだけど

 

ドクターはもちろん

 私を迎え入れてくれた

  チームの方々には感謝しか無い

         もうひとつのありがとう " ダヴィンチXi "
 

「明日は長丁場だな」

 

登板前夜の投手のような緊張感もあるだろうな

なにせ・・

「今日は気が乗らないからやーめた」

新台入れ替えに並ぶ気分では許されないから

毎日が真剣勝負、そのタフさには恐れ入る

外科が体育会系って本当なんだな。。。

 

  手術直後

 

さて「患者視点」

私は

 
痛えっ!
苦しい!
オシッコ!
 

を念仏のように唱えていたのだが

うち2項目はやや通り越した感があったので

 

痛えっ!

気持ち悪い!

脚がしびれる!

 

に念仏の歌詞を替えてみた

 

強烈な吐き気を覚え

そら豆みたいな盆に

ウグエエエと吐こうにも

絶食をしているので何も出てくる筈もなく

ただただ終点の無い嘔吐を繰り返す

 

もうひとつ

左脚の膝下から先の感覚が無いのだ

これは・・

ネットの予習では予測できなかった合併症か

正直こわくなった。。。

 

後に回診に来てくれたドクター曰く

 

「手術時の体位の影響かもね

  しばらく様子をみましょう」

 

と冷静な返答

体位?おお・・・How for 体位?

48手以外に何かあるのか?

 

  ブチ切れHCU

 

話が前後するが

手術直後、すぐに病室に戻らず

しばらくは急変が無いように「看護度」の高い

HCUという病室に居た

 

High Care Unit の頭文字をとってHCUらしい

 

よく想像されるICUは、もう1段緊急度の高い

「救急救命24時!」で見る装備ズラリのアレだ

何の略だっけ・・忘れちゃった

 

一晩泊まったHCUの地獄なことですよ・・・

 

同様に手術直後の患者がHCUに来るわけだが

あちこちから

 

「ぐぅぅぅ」

「うぅぅぅ」 っと

 

うめき声が聞こえてくる

そして鳴り止まぬナースコールの電子音

 

It is The HELL

 

隣の個室から

 

「痛い!痛いよー!!」

 

15分おきに大声で叫ぶ男性

これには迷惑した

その度にナースコールボタンを押しているのだろう

 

俺も痛えンだよ!やめてくれよ・・・

 

多分、HCUに入っている人全員が

同じことを思っていただろう

 

足元のエアポンプ?が片方動かなくなって

手元のナースコールボタンを押した・・・

 

若い看護師とタイミングを同じくして

ベテランっぽい人が入室

入口からベッドまで3メートルほどあるのだが

「ツカツカツカァ!!!」と既に足音が怒っているw

 

開口一番

「もうこれ以上、出来ることはないからっ!」

 

え?俺・・はじめてコールしたんだが・・・

 

「いいですか?手術後 "痛い"のは当たり前!

  何度呼ばれても同じだから!わかった?

   ◯◯◯◯さん!」

 

俺、◯◯◯◯さんじゃないけど

 

あまりの忙しさ故か。。。

こんな事もあるのだろう

 

 

 

  断水

腸管を手術した後

しばらく「飲水」は禁止となる

これがもうひとつの「地獄」だった。。。

 

季節は盛夏を迎え

アラートは連日「危険です」

空調の効いた病院内でも体内の水分は汗となり

「水分補給急げ!」と脳内から司令が出る

 

お水飲ませて・・・

ちょっとだけ・・ちょっとだけならいいでしょ?

 

うがいだけなら、いいですよ

 

口をすすぐだけなら何度でもOKらしいが

絶対に水を飲ませてはくれない

 

ここまでの我慢と

ドクターの手術が無駄になるよ?

 

こう言われると我慢するしか無い

ちなみに「うがい」をさせてくれた看護師は

ブチ切れた人ではない事を補足しておく

優しい、いい人だった

 

明くる日

回診一番、ドクターが来てくれた

 

つらかったね

飲水オッケーですよ!

 

常温のただの「水」が

これほど美味かった事はない

少ししょっぱい味がした

俺、泣いてたのかな。。。