家の片隅に転がっていたフォークギターを

手に取ったのが12歳。。。

初めて「通し」で弾けるようになったのが

アリスの「チャンピオン」だったかな。

ツバの長いキャップを深めに被ったりして

モノマネしていたんだ(笑)

 

 

  点と点
 

 

高校入学の頃は、何だか無気力な少年で

若い日の貴重な時間を浪費していたわけで

一学期も残り僅か、やがて来る夏休みも

ダラダラ過ごすんだろうなって

これで良いのかなって。

 

仲の良くなったクラスメイトは

「俺さ、夏休みバイトしてバイク🏍️買うんだ!」って

雑誌片手にキラキラした眼をしていたっけ。

 

そっかぁ・・目標を持つって悪くないよな。

 

アルバイトニュースって(古っ!)情報誌を

当時100円だったかな・・パラパラと飛ばし読み。

 

ああ、近くの喫茶店でアルバイト募集かー

時給500円・・当時は高校生のバイト料は

それくらいが相場だったんだ。

 

ちょっと緊張しながら、電話をかけて

 

「あの・・アルバイトニュース見たのですが」

           「今からでも面接に来れる?」

「あ、はい、でも履歴書書かなきゃですので」

           「アハハ、そんなの要らないわよ」

 

何だか急展開で(汗)

夏の日差しを背中に浴びて

歩いて5分・・・喫茶店の自動ドアをくぐると

フワッとクーラーの涼しい空気が歓迎してくれるようだった。

 

「いらっしゃいませ」

   「あ、あの・・さっき電話したバイトの」

「ああ!ちょっと待ってね」

 

奥から、店主の女性が現れた

 

「あ、なおそうや君ね

  で何時から来てくれる?」

 

              え?もう決まっちゃったの??

 

 「夕方から夜までの時間

     人が足りないのよね」

 

「はい、じゃあその時間帯で・・」

 

目まぐるしい展開で「バイト君」の完成だ。

 

 ああン?

そして、人生始めての「アルバイト」生活が始まった。

もちろん、全てが初めてだから

仕事を覚えるだけで精一杯。

緊張もあって脚がガタガタしてくる・・・

次々に来店してくるお客さんに、水とおしぼり

 

えっと・・ご注文は?

 

入店するなり

サッと新聞を手にとって

紙面に落とした目線がこちらに向いた

 

あれ?お前、なんでココにいるの?

 

町内の接骨院のオヤジだった。。。

当たり前だが、爺ちゃんが現役だった頃から

顔見知りで・・バカ息子として顔が売れていた私だった。

 

「今日からバイトしています」

        「ほう・・・」

        「え?何だ?バイクでも買うのか?」

 

「いや・・その」

 

そうなんだ、当初の自分は

クラスメイトに刺激を受けて

夏休みを充実させたいなと思ってただけ。

 

咄嗟に・・・

「楽器!ギターを買おうと思って!」

 

接骨院のオヤジは、紙面に落とした目線を

再び上げて

 

ああン?お前なんかに続きゃせんわや
と、冷ややかな笑いを向けて来たのだ。

その瞬間、「バチッ!」
自分の中でスイッチが入った!

心の中で「このク◯オヤジが」と思いつつ

絶対やめない!続けたる!

私とフェルナンデスとの点と点が繋がった。

嫌味なオヤジのアイスコーヒーに
ツバでも入れてやろうかと・・
いや、それをやっては昔の自分のままだろーって。