ネオビンテージと言われる
80~90年代のメルセデス・ベンツ
近年では「歴史的なモデルを乗り続けたい」と
人気が再燃しているようですね。
業務としてお呼びがかかる機会も
以前より増えた気がします。
今回はエンジン制御のコンピューター
Bosch製で、通称LHと呼ばれるユニット修理で
お預りしました。
症状は
フューエルポンプリレーのチャタリング
リレーの動作が波打つように不安定になってしまいます。
これはLHタイプのユニットでは
よく見受けられる症状です。
対処方法は「リフレッシュ作業」を行えば
ほぼ治まる個体が多いようです。
ただ、このLHユニットは
基板が「2階建て」構造になっていて
1階--2階の連絡通路として
ごく薄いフィルム配線で連結されています。
赤茶色に見えるのがフィルム配線
フレキシブルケーブルとも呼ばれます。
このフィルム配線は基板それぞれに「接着」されていますが
繊細な構造ですので
取り扱いには細心の注意が必要です。
分解した状態では
このフィルムの付け根が傷まないよう
専用のSSTを制作し
それぞれの基板がバタバタしないように
「完全にロック」した状態で作業を行っています。
海外の動画をチェックしていると
バッタンバタンと雑に扱うシーンを
よく見かけますが
繊細な?私から見るとゾッとしてしまうのです。
もちろん、特殊な形状の支え等は
市販されていませんから「作る」しかありません故
思いついたアイデアをすぐにカタチにできる
3Dプリンターは、もう必須のアイテムとなっています。
LHユニットに限らず
2階建て基板のユニットへのアプローチは
かならず「固定して作業」これがキホンですね。
いえ、たまには「仕事」の話をしなきゃと思って・・・