2007 プジョー1007 

 

フランスのスパイスが効いた個性的なクルマ

 

パワーウインドウの回路がショートを起こし

ガラスの昇降ができなくなった。

対策としてモーターやスイッチ等をほぼ交換したものの

パワーウインドウが作動せず・・残るは統括管理している

通称BSIと言うコンピューターモジュールで

「何か」が起きているとの御相談でした。

 

これがBSI、一般的にはBCMボディコントロールモジュールと呼ばれています。

最近のクルマはセキュリティ関連や灯火装置、そしてパワーウインドウ等も

このモジュールで集中管理している事が多いです。

ある意味、エンジンのコンピューターより忙しい箇所。

 

困った事に、このモジュールは2階建て構造

詳細の点検は視界が悪くてコマリマス

 

 

そのままではラチが開かないので分解してしまいます。

 

うーん・・・リレーの故障??

経年劣化はあるにしても、早々に壊れる仕組みでもないしね

 

こうなると根気との勝負

 

 

アーーーッ、コネクターの影でぶっ飛んだ箇所を発見

スイッチングに使われるトランジスタと思われます。

状況から見てこれが原因だと判断。

 

しかし・・・完全に焼け飛んで正体が分からない

もとい、焼けて無くても分からない

 

昔のトランジスタは製品記号が刻印されていて

どのトランジスタかの判別がつく事が多いのですが

この「チップトランジスタ」ともなると

幅3mm弱 高さ1.5mmほどしか面積がなく

刻印が無いか、有っても暗号っぽい記号だけで

何者かサッパリ分からない事が多いのです。

 

万事窮すか・・・

 

ここまで追い詰めて

諦めるのは残念です。

 

しばらく考えた後

ご依頼を頂いた御客様へ状況の説明と

ここからは経験と「勘」だよりである事

展開によっては修理を諦めざるを得ない事

画像を交えて報告をします。

 

「やってみてくれ」とご承諾を頂いたので

想定される部品の手配を進めました。

 

類焼してしまったプリントパターンを修復した後

いくつかの特性をテストし「コレがいいかな」と選んだトランジスタを

実装してゆきます。

 

 

上手く動いてくれよー

そう念じながら作業を進めます。

 

基板を元通りの2階建てに組み立てて

作業を完了しました。

 

数日後「パワーウインドウ直りました」と連絡が入り

今回の修理作業のフィニッシュです。

 

いつもながら「良かったぁぁぁ」とホッとするのも束の間

また次なる案件へと考えを進めるのでした。。。

 

ご依頼、誠にありがとうございました。