ダイアガンの修理相談を
久しぶりに頂きました。

作業中に手元から、子機側(ブルートゥース側)を落下させ
その後通信不可能になったとの事・・・

久しぶりに腕が鳴るぜぃ! 腕。腕。腕。
 

点検前に1ショット
親機側は特に問題無いようですね。


親機側も子機側も、部品がギッシリ詰まった
精密機械ですので
ひとたび落下させようものなら
何かの部品が外れて、中で・・
「カラカラ」と音を出しそうなのですが(ラトル音)
今回は、それが有りません。

ちょっと不思議に思いながら、点検を進めます。

その際は、取り付けられた部品を
ピンセット等で「揺らし」ながら、ハンダの剥離が無いか
特に、ガタイの大きな部品は注意が必要です。


小粒な部品ばかりの基板上に
デカデカと存在感のある、水晶発振子があります・・
何気なくピンセットでつまむと・・・

ボロッと・・・

あれ?何でこんなに簡単にとれちゃうの?


よくよく見ると、すでに補修を行った痕跡があり
水晶を接着剤で留めていた模様・・・
だから「カラカラ」言わなかったのね。


恐らく、何とか自己修理をしようとしたのだけれど
補修しきれず諦めた後、修理依頼をされて来たのだと
推測されます。


もちろん、御依頼を頂いたのは
嬉しい事なのですが
殆どの場合・・・一度手が入っていると
「状況が悪くなっている」事が多いのです。


今回も、ご多分に漏れず
水晶の足が留まる基板パターンが
恐らく熱をかけ過ぎたのでしょう・・・
剥がれ落ちてしまっておりました。

それに付け加えて、接着剤・・・木工用ボンド
修理の際に、取り除くことが非常に困難になり
手こずる事が多いのです。

最悪の場合、修理不可能に陥ってしまうことも
有り得ますので・・・


あまり深追いせずに
   早めにご相談くださいね
 福助


とにかく、貼り付いてしまった接着剤を
取り除き、基板の修復方法を考えましょう。
あまりガリガリとやっても
基板が壊れてしまいまので、慎重かつ大胆に・・・


水晶発振子側も、結構タップリと接着剤が
盛りつけられておりまして・・・
こちらは、手持ちのパーツがありましたので
交換をしたほうが無理が無いと判断しました。


おっと、有線通信用のコネクターも
ハンダが剥離して、外れかかっておりました・・・
この部分、(いつも)ハンダが足りていなくて
強度不足気味です。




作 業 中工事中



剥離してしまったパターンを修復しました。
最短距離で美しく・・・


動作点検は良好 


無事に修復ができたようです。

しっかりと基板につかまっているように見える水晶ですが
片側のパターンを失っているので
片足の状態で、ブラブラしてしまいます。


接着剤を使うのは
先の理由で、あまり好きではありませんが
補強の為、どうしても必要な箇所にだけ
使うようにしています。
エポキシ接着剤をヘラで練り練り・・・


最小限で接着がよく効く塗り方で・・・


ホットガンで熱風をかけて
硬化を促進させると同時に、流動性を上げて
接着剤がよく浸透するように工夫をします。



コネクターも、熱量の高いハンダゴテに持ち替えて
入念に留め直しです。
こちらも、もぎ取れてなくて良かった・・・


あとは組み上げて、入念に動作テストをします。



実車テスト
夜中に何をやってるんだろうと
近所の方は思っているかも?
15分程の作業ですが
やぶ蚊に3箇所ほど刺されました・・・蚊蚊蚊


今回は、人為的な障害が発生してしまっていたものの
無事に作業を完了することができました。 


めでたしめでたし・・・


しかし、足 かゆっ! 蚊
あ”ーーー腕も!  蚊