クロレラをやめて数か月。何とか血や汁はでない状態になっていた。

でも、顔はかなりのブサイクで男前台無し・・・ 

自分の顔が嫌で嫌で仕方なかった。

もう僕は完全にピーを治す事を諦め、いつかの医者が言ってた。

「アトピーは治らない病気」と思っていた。 

もう、あの顔に戻る事もなければ、風呂あがりはいつもベタベタに 薬をぬらなあかん・・・・

一生こんな生活なんやな・・・ 

でも、パワフルオカンは諦めず絶対治すといきこんでいた。 

オカンは色んな人に話を聞き、ピーにいいという事はあらゆる事をしてくれた。 

そんな時、高知にピー専門の病院があるという事を聞く。 

もしかしたら、これを読んでる人の中にも行った人もいるかもしれない。

そこには全国からピー患者が集まり、10日前後で驚く程綺麗になるという。 

近くに民宿があり、保険もきかないので宿泊費もいれて20万はかかるとの事だった。 

行きたい気持ちはあったが、さすがに20万はと思った・・・ 

その日家族会議が行われ、治るならという事で高知に行く事になった。

ありがとう・・・・ほんとにごめん


その病院は高知のはずれにあり、福岡からはかなりの時間がかかる。 

朝早く出発してついたのは夕方になっていた。

旅行ならば楽しいけど、にっくにアトピーの治療。
とても辛い時間だったのを覚えてる。 

バスの運転手に病院の場所を聞き、民宿に着く前に病院を覗いていこうと思った。 

テクテク歩いてると僕の前に想像を絶する光景が飛び込んでくる。

全身を包帯でグルグル巻きにされた人がいっぱいいる。

中には顔までグルグル巻きのミイラがいっぱいおる 

ほんで、またなんとも言えない異様な匂いがする

想像つかないかも。ハロウィンのミイラみたいな感じかな。

まさか、これがその病院の治療??? 

病院に着くと僕はほんとあっけにとられてしまった・・・・ 

あのミイラはここの病院の患者達で人があふれていた。 

僕は今までどこに行っても重症だ言われていた。

自分でも僕みたいにひどいピー患者はいないと思っていた。 

だけど、僕の目の前にいる人たちはピーの僕が目を背けたくなるような 人達ばかり・・・・ 

この時僕は思った。「自分が1番不幸なんて思うのはやめよう」って 

ほんと地獄のような光景だった・・・・ 

「俺もこんな治療をされるのか・・・・」 

重い足取りで民宿へと向かう。中に入るとあの異様な匂いと多くのミイラ達。

僕は疲れもあり、食事もとらずにその日は寝た。


つぎの日、民宿の人たちや、患者といろんな話をした。

同じコンプレックスを持つ人なので、わかりあえるのに時間はかからなかった。

多くの人がいた。日本全国から来ていた。 

東大を卒業してエリートまっしぐらできていた。大手企業に勤め全てが順調だった。そんな時いきなりアトピーになり、すべてを失った人。 

アトピーになり、働けなくなり離婚した人。 

女の子で元モデルでいた子。男の僕でも悩むんだから女の子の悩みはすごいだろう。ニキビひとつでも悩むのに・・・・ 

しかも、この子は元モデルで今までずっと可愛いと言われ続けてきたはず・・・・この子は言っていた 

「綺麗な皮膚の子を見ると羨ましくて腹が立つ・・・殺したくなるくらい。何度鏡の前で泣いたかわからない・・・」 

多くの人が同じ悩みを持ち、絶望し夢や希望を奪われていた。


治療はパンツ1枚になり、看護婦に囲まれて薬をベタベタに塗られる。

それから、包帯をグルグ巻きにされる。体からはあの異様な匂い。

そんな生活を10日すごした。

毎日辛かったが、同じ悩みをもった仲間と過ごした10日は楽しかった。 

元モデルの子とはレンタカーを借りてドライブにも行った 

痒みは驚くほど消えていった。

2・3日で痒みは消え、オカンに電話した事を今でも覚えている。

ほんまに奇跡のようだった。

痒みは消え、あんなにあった顔の傷も消え、眉毛も伸びていた。

自分でもこんな顔を見るのが久し振りだった。 

みんなも驚くほど綺麗になっていた。 

元モデルの子もさすが元モデルで、めっちゃ綺麗になっていた。

退院はその子が僕より2日早く、最後の夜またドライブした。 

海を見に行きキスをした。 

楽しかった。また夏に会おうと約束して・・・・ 


帰って僕の顔を見た時のみんなの驚きの顔はすごかった 。

オカンなんて僕の顔をなでながら泣いていた・・
 

「ほんま綺麗なった。ほんま綺麗なった。あんたの顔や。やっと治ったんやな。今までごめんな。辛い思いいっぱいさせてごめん。ほんまよかった。」 


そんなオカンを見ていたら僕も涙がでてきた。

やっとピーとの長い戦いが終わった。

僕たち家族はこの時みんなそう思っていた・・・・

これから1年半くらいかな。薬は塗っていたが調子はよかった。

何年かぶりに普通の生活ができた。普通に綺麗な顔で鏡を見て凹む事もなければ、好きなおしゃれもできた。 

でも、この幸せは長くは続かなかった・・・・・ 

このあと、僕と家族とピーとのほんとの地獄の2年に及ぶ戦いが待っている・・・・ 




あの頃、病院で出会った仲間はどうしているんだろうか。元モデルと仲間とは、あの年の夏に再会した。みんな綺麗になっていた。俺はその子とデートをした。楽しい最高の夏休みだった。今でもいい思い出。その後数か月付き合った。今ではみんなどうしてるのか?連絡が途絶えてしまっている。みんな元気にしてるんだろうか?? 
治ったんだろうか???俺はこの後地獄の日々を送った。間違いなく彼らも地獄の日々を送ったんだと思う。もしかしたらいまだに地獄の日々を送っているのかもしれない・・・・治っていたらいいのに 



つづく