愛着を込めて呼んでいる
以前、銀行のATMで「取引完了」と出たのに現金が出てこない……という、アメリカ生活の洗礼を受けた私。
それ以来、システムへの信頼には人一倍「慎重派」です。
「いざ長距離を走る時に、充電器が壊れていたら?」
そんな不安を払拭してくれるのは、やはりガソリンという確実なバックアップがある
PHV(プラグインハイブリッド)。
わが家にとって、それは譲れない安心感でした。
狙いを定めたのは、新車の輝きを保ちつつ、価格がグッと落ち着いた「2年落ちのボルボ XC60」。
ここで、パパ(夫)が鼻息荒く「壮大な計画」を打ち出しました。
「全米の在庫を調べた。
テキサスの相場は、カリフォルニアより圧倒的に安い!
飛行機で飛んで、
現地で買い、
友人の故郷アイダホを経由し、
大陸を横断して帰ってくれば、
旅費を差し引いても1万ドルは浮く計算だよ!」
「1万ドルお得な大人の遠足」に
目を輝かせるパパ。
しかし、わが家の財務大臣(私)は即座にこれを却下しました。
「ちょっと待った!その移動に費やす3〜4日の機会損失と、あなたの時給を換算してみて。……それ、完全に赤字だから!!」
当時のパパの職場は、三食無料にジム、さらには隠しバーまで完備された、いわゆる「神環境」。
完全週休2日で9時5時退社、4ヶ月の育休もフルで取れるほど、彼の「時間単価」は高かったのです。
その貴重な時間を、過酷な大陸横断で
浪費するのは合理的ではありません。
さらに、私はいつものリサーチ執念で
決定打を放ちます。
「わざわざテキサスまで行かなくても、Facebookマーケットプレイスを見て!
LA近郊の物価が落ち着いたエリアで、全く同じ条件・価格の個体を見つけたから」
結局、私の主張が通り、車でわずか数時間のディーラーへ。
当初の希望通り「新車定価のほぼ半額」で、理想の一台を射止めました。
月600ドルのローンを背負いつつも、戦略的に手に入れた相棒に悦に浸っていました。
……しかし。
これが次に待ち受ける、さらなる
「アメリカの洗礼」への序章に過ぎなかったことを、この時の私たちはまだ知る由もなかったのです。

