意外。 | なおぱんだのひとりごと。 ~読書と日々に思うこと~

なおぱんだのひとりごと。 ~読書と日々に思うこと~

なおぱんだです。
北の国から、読んだ本、買った本、大好きな曲、そして日々思うことなどをポツリポツリと書いてます。

春は異動期なので、ほとんどの部署で職員の入れ替えがあります。職場環境が変わって五月病が懸念される時期なので、幹部は転入してきた職員と面接をして、何か気になっていることや悩んでいることなどがないか聞き取りをします。私はそれに合わせて、残った職員に対しても聞き取りを行い、昨年度の1年を過ごしてみて何か困っていることや問題と感じていることなどはないか確認します。だいたいの職員は何もないか、あっても健康的な悩みばかりなので、「また一年頑張ろうね」で終わるのですが、一人口ごもってなかなか言葉に出せないでいる職員がいました。私は何か特別な問題でも起きているのかなと不安になりましたが、根気よく彼の言葉を待っていると、「実は悩んでいるというほどではないんですが、自分の部下をはじめとして、職場全体のレベルが低いと思うんです」と言いました。私は「?」と思って先を促してみると、「僕が期待しているよりも向上心がないというか、そのレベルで満足できていることが不思議で、どうしたらいいかわからないんです」とのことでした。

 

はっきりと言わせてもらうと、私から見れば彼自身高いレベルにあるとは全然感じてないので、「こいつは何を言ってるんだろう」とかえって不思議に思いました。元々プライドが高いタイプなんだろうなとは感じるところがありましたが、自分のことを棚にあげて自分以外の人間のレベルが低いという評価をしているのが意外に思いました。それでも彼のプライドを傷つけるような反応を示すのは得策ではないと思ったので、私は「君のいうレベルがどういうものかはちょっとわからないけれど、人のレベルを自分が思うレベルまで上げるためにどうしたらいいかって悩むより、自分の言葉にして伝えてみるとか、まずは自分でできることを何かやってみたらいいんじゃないかな」と伝えました。彼は元々言葉数が少なくあまり積極性が見られない人間なので、直接不満をぶつけることもなく、何か行動することもなく、ただ自分で思い悩んでいるだけのような気がしたので、「例えば、自分の過去の経験談や失敗談を正直に話して、相手に自分でそうならないためにどうしたらいいか考えさせるとか、相手に何かをさせようというのではなく、考えさせて高めるってやり方もあると思うよ」と助言してみると、彼は一応は納得してくれたようでした。

 

私が改善した方がいいと指摘をしても、自分から正していこうという姿勢を見せるわけでもなく、常にマイペースで自分のやり方を貫こうとする彼なので、「直した方がいいと言われたことは素直に受け入れて、自分から正していこうという姿勢を見せることで、部下たちも自分で気をつけなきゃと思うんじゃないかな。そうすることで全体のレベルもあがっていくんだと思うよ」と指摘しましたが、私は普段から「言葉にすることで楽になる」と言っているので、彼もどう感じたかはわからないけれど、少しは気持ちが楽になったんじゃないかなと思います。

 

サラ・コスラン「I'm Here」です。