人間の手 | NPO法人ねこけん Official Blog

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2011年9月22日に立ち上げた新猫ボランティア団体『NPO法人ねこけん』の公式ブログ

お届けラッシュのM代表 風邪で寝込んだ役立たずの「ナ」ですが、せめて活動報告だけでも役立ちたい! と、言うわけで、ブログUPしま~す。


 

僕の目の前で、妹は死んだ

僕達は、白黒のお母さんから産まれた。
狭い排水溝の中で兄弟で育った。
毎日、遊んで、時々外に出られる穴から顔を出して、周りを見たり、冒険して飛び出しては穴に戻った。
いつもは人間なんておばあさんが1人来る程度で、誰も来ないのに、ある日、何人もの人間が来て、僕達の居る排水溝を覗き込んだり、ライトで照らしたりした。

「困まりました。排水溝の点検で水を流さなくてはなりませんが、子猫が居ますね」

「はい。この子達を外に出してから、点検をして欲しいんです」

「棒では届かないし、我々では排水溝に体が入らないし…」

人間達は、色々と話をしている。

僕は妹が怖がるので、かばいながら排水溝の奥まで逃げた。
その先は、何処まで続くのか分からないけど、それ以上進むと危険なことだけは分かった。

暫くすると
「少しだけ水を流して、途中の穴に網を入れて、逃げて来た所を捕まえましょう」

僕は、これから人間達が何をしても、妹を守るつもりだった。

しかし…それは、あっと言う間の出来事だった。

「あっ!開けすぎだ!!」人間が叫んだ。

その途端、大量の水が僕達を飲み込んだ!
「お兄ちゃん!」妹はそう叫ぶと水にくるくると飲み込まれて、流された。
僕は、何とか妹のところへ行こうともがいたけど、僕も流された。
すぐに、僕らは網に引っかかり、そのまま上に引き上げられた。

「大変!あんなに水が流れるなんて!」
「子猫は!生きていますか!」
「こするんだ!乾かして!!」

人間が、僕らを抱えて、さすったり揺らしたりしている…
僕は意識が薄れ、体に力が入らない。
妹は…妹は何処…声もでない…
僕は死んでしまうのかな…死ぬってどんな感じなんだろう?
体がフワフワ浮いているようだ…

「お兄ちゃん…」

妹が僕を呼んでいる。

僕は目を開けた。
目の前には妹が座っている。

「あれっ?僕達流されたんじゃなかった?」

「お兄ちゃん、私ね、行かないとならないの。お兄ちゃんは、絶対に諦めないで、幸せになってね。」
「えっ?何処に行くんだよ。僕も行くよ。一緒に居よう」
「ううん。お兄ちゃんは、まだいかれないの。私の分の命の力をお兄ちゃんに託すね。さようならお兄ちゃん」

「ちょっと待てってば!」
僕は、妹を追いかけようと走った。叫びながら走った。
「待てってば!!!」

「あ!こっちは大丈夫だ。暖めて急いで獣医さんへ!」
人間が、僕を手のひらに乗せて摩っている。

「妹は?妹は??」
僕は、力の入らない手足を、必死に動かした。
人間は、僕を毛布に包んで箱に入れて、部屋に連れて行った。
その時、他の人間の手の中で、力なく抱かれている妹の姿が見えた。
僕は気が遠くなった…

目を開けると、僕は、暖かい部屋で毛布に包まっていた。
「生きている」

妹は?どうしたんだ?僕の妹は?

おばさんが、僕のケージを覗き込みながら、泣いている。
「ごめんね、もう1匹は助からなかったの。手違いでお水が大量に流れてしまって…。ごめんなさいね」

「えっ?妹は死んだの?死んでしまったの?人間が殺したんじゃないか!僕の妹を返せ!」
僕は、人間を許せなかった。
多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)



「凄く威嚇しているのね。ごめんなさいね。本当にごめんなさい」
おばさんは、泣きながら謝っている。

「僕に近づくな!近づいたら許さないぞ!絶対に許さないぞ!人間の手は、僕の妹を奪った。人間の手は、僕を悲しませるものだ!」

僕は、おばさんがご飯をくれる時も、優しく話しかけてくれる時も、人間の恐ろしい手に向けて、威嚇、攻撃を続けて、身を守った。

多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)

数日がたって、おばさんは僕に言った。
「ごめんなさいね。私では、無理。今ねボランティアさんにお願いをしてきたから。あなただけでも、幸せになってね」

そして、僕はバックに入れられて、里親会場で、ボランティアという人間に渡された。


Mさん「あら~。可愛いね。」

僕は油断無く、攻撃を繰り返した。

Mさん「凄く威嚇するね。攻撃もしてくるね。慣れるかな?」

ナ:{もう1匹の分まで幸せにならないとね。ガッツがありそうだから、ガッツ君でどうですか?}

Mさん「OK牧場!ガッツ~、大丈夫だよ。安心してうちに来なさいね」


そうして、僕は「ねこけん」の代表のMさんの家に連れて来られた。

毎日、ご飯やお水を替えてくれる都度、Mさんは僕を触ろうとした。

多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)
僕は、人間の手に、精一杯攻撃や威嚇を繰り替えした。
「人間の手は、僕の妹を奪った。人間の手は、僕を悲しませるものだ」

数日たってMさんが、僕に言った。
「ガッツ、人間の手は、怖くないよ。人間はガッツの味方だよ。兄弟の命を奪ってしまった事は、本当に申し訳ない。わざとではないのよ。ガッツ達を助けようとしたんだけど、手違いで大量の水が流れてしまって。兄弟の命も救おうと必死にやったそうだよ。でも、助からなかった。勝手な言い分だけど、許して欲しいの。ごめんなさい

それから、Mさんは毎日、僕に話しかけながら、手を差し伸べて来た。

そして、Mさんの手が僕の背中に触れた…
「あれっ?あっ…暖かい。優しい暖かさだ。お母さんの腕みたい…」


多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)
Mさん「ガッツ、やっと撫でさせてくれたね~」

その日の夜、僕は夢を見た。
妹が僕に会いに来た夢だ。
「お兄ちゃん、私はね、今とても安全な所にいるから大丈夫よ。人間はそんなに悪い生き物ではないみたい。私の事も助けようと一生懸命やってくれた。私は、恨んでいないよ。私は、次に生まれてくる時は、安全な人間の優しい家族の所に生まれるね。だから、お兄ちゃんも、憎しみは忘れて、私の分まで安全な人間の家で、優しい家族に迎えて貰って、生きていて良かったと思う生活をしてね。私の分まで」
僕は、す~っと消えていく妹を追いかけようと手を伸ばした…
その手を暖かいものが包んだ。
お母さん?

目が覚めた。僕は、Mさんの腕の中に居た。

Mさん「ほら。もうこんなに慣れた。攻撃もして来ないよ。嬉しいね、少し安心してくれたかな?」

僕は、今Mさんの家で、たくさんの保護猫達と暮らしています。
まだ、時々人間の手が怖いときがあります。
でも、僕は絶対に生きる事を諦めないで、妹の分まで幸せを感じられる生活をします。
人間の手は、僕の妹を奪った。でも、人間の手は僕を救ってくれた。
人間の手は、僕を悲しませた。でも、人間の手は僕を暖かく包んでくれた。

多国籍の犬猫な毎日(おティんクな気分で)
人間の手は、優しい人間の手は、暖かい。
僕は、妹の分まで、優しい家族の元で安全に幸せに生きる事にした。




ねこけん里親会◆

日時11月25日日(日)
    午後1時~午後5時


場所 東京都板橋区志村1-32-25

交通都営三田線 志村坂上駅下車
    徒歩約5分
    スーパーサントクの前
    ( コインパーキングあり)
沢山の保護猫達が、優しい家族をお待ちしております。
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