国立科学博物館附属自然公園 | クサガメの花とニンゲンの麦

クサガメの花とニンゲンの麦

狭い1kのアパートで、でっかいクサガメの花さんと二人暮らししています

週末は国立科学博物館附属自然公園に

2週続けてお邪魔しました

我が家からは少し遠いのですが、なぜか居心地が良くて気に入ってしまいました

ちゃんと整地された公園よりも、ちょっとごちゃついてるのが好みなのかもしれません


あと、お花の名前に札がついてるのも嬉しい(´◡`๑)




武蔵鐙(ムサシアブミ)

これは花ではなく仏炎苞というもので、この中に花があるそうです

花が終わって枯れてるのかと思いました


この仏炎苞が「武蔵の国の鐙に似てる」からムサシアブミと名がついたそう

「鐙」とは馬の背から両側に吊り下げ、足を乗せる馬具のこと


上下逆にしてみたら‥似てなくもない、かなぁ


ちなみに仏炎苞とは花を包む苞の事で、仏像の背景としてある「仏炎」に似てることが由来





丁子草(ちょうじそう)



かつて日本中に分布していましたが、護岸工事などで生育環境が破壊されたため、野生種は2007年に準絶滅危惧種となったそうです


園芸用としては「アムソニア」「エリピチカ」と横文字がつき、人気があるそうです



莢蒾(がまずみ)

名前の由来は諸説ありましたが、実が酸っぱいため噛まずに吐き出してしまう「噛まず実」が由来というのが面白かったです(´◡`๑)

冬眠前の熊が好んで食べるともありました


山吹升麻(やまぶきしょうま)

花火のように放射線に伸びた花穂が特徴

こちらはまだ蕾


「升麻」とは生薬名なのですが

食べると精がつき、男性のむにゃむにゃが元気になり、上升(上昇)する麻のような植物ってことが由来だとか





吸葛(すいかずら)

花筒の奥に蜜があり、口に含んで吸うことから「吸い葛」というのが由来

砂糖のない頃の日本で、甘味として用いられたそう


このスイカズラで作ったお酒は、徳川家康が「戦に欠かせない飲み物」と愛飲していたことでも有名


徳川家康と言えば、歴史に残る健康オタク

どうやら養命酒のように用いられるお酒みたいです


吸葛を使用したお酒は「忍冬酒」という名で今でも購入可能です







水蝋木(いぼたのき)

「イボタロウムシ」が寄生する樹と言うのが由来で

寄生する「イボタロウムシ」が分泌したものを加熱して濾した「蝋」は日本刀の手入れなどにも使われるそう


ちなみに「イボタロウムシ」の由来はイボタノキにつく虫だからだそうです


名前がついた頃

大事なのはイボタロウムシから取れる蝋だから

樹も虫も、親戚みたいな名前になったのでしょうね





野生のハート♥️

ではなく、三葉空木の実


猫のシルエットって紹介もありました

実は野生のパックマンかもしれません



柄無肥後草(えなしひごくさ)

穂に鞘がないから「柄無し」

肥後草が何処から来た由来かは不明らしいです


最初に採取されたのが肥後なのかな?





松風草(まつかぜそう)

花が咲くのは夏の予定

規則的な葉の並びに目を惹かれました


ちなみに「松風」

松は防砂林の植樹のひとつですが「浦は寂しい松風の音」というのが古典にあるそうです


日本で唯一、ミカン科なのに樹木でない植物


アゲハ蝶は、樹木でなくても卵を産みに来るのかしら




赤四手(あかしで)の花

しでとは「紙垂」

神社のしめ縄に挟まっている垂れ下がる物のことで

雷を表し、豊作や破邪をもたらすそうです


アカシデの花は風に揺れていて

なんだか楽しげでした



雄藪虱(おやぶじらみ)

残念な名前シリーズですね

「藪の中の虱」という意味の植物で、これは実の部分

この実の産毛がニンゲンの服に取り付くので「虱」とのこと

白い可愛いお花が咲のですけどねぇ



飯桐(いいぎり)

由来はこの木の葉がご飯を包むのに使われた事


地面にたくさんの雄花が落ちてました


花は高い木の上に咲いているようで

繁る葉の影になり下からは見えず 


花は「美しい」と称賛される為に咲くわけではないと

当たり前のことを思い知らされました



野茨(のいばら)

茨の花 ここをまたげと 咲きにけり 小林一茶


一茶さんは白い花を見て

「ここに棘のある植物ありまーす」って教えてくれてるように思ったのかもしれませんね



花茗荷(はなみょうが)

香味野菜の茗荷とは別物

花茗荷は夏の季語で、茗荷花は秋の季語


ワタクシの覚え方は

普通の八百屋さんで買えるのが茗荷花

高級な八百屋さんで買えるのが花茗荷



丸葉空木(まるばうつぎ)

卯の花とも言いますが、ワタクシの中で「卯の花」と言えば「おから」の事


調べてみたら、おからの見た目が卯の花に似てるから

そのように呼ばれるとか


似て‥なくもないのかしら


搾りかすである事を表す「お殻」より「卯の花」は粋な呼び方だと思いました