アリゾナの蟻。おなかに蜜を貯める不思議な生態。
琥珀色の葡萄のような神秘的な姿、蜜つぼ蟻。
女王蟻が新しい巣穴をつくる。
女王蟻が別の女王と、提携して、新しい王国の礎を築く
王国の土台ができて、女王たちが産卵を始める。
幼虫が育ってハタラキアリたちが食糧を集め始める。
安定した供給が王国を支え始めると、
協力していた女王たちの、力のバランスが崩れ始める。
強いものが弱いものを凌駕し、最強の女王が勝ち残る。
それは、初めからの約束。裏切りでも、卑怯でもない。
強い子孫を残すための自然の淘汰。
安定した王国はさらに繁栄の道を進む。
ハタアキアリは集めた蜜を貯えるため
特別な任務の蟻に分化する。
琥珀色の葡萄のような大きなおなかに蜜を貯蔵し
天井にぶらさがってその一生を終える。
自分の身体を一族の貯蔵庫として差し出すのだ。
究極の、富の象徴。蓄えの豊かさは種の繁栄。
何かの拍子に衰退の歯車が廻り始めるとその蜜壺は、
みるみるしぼんでゆき、その巣は終焉をむかえる。
次の世代となる羽蟻を生み、世に送り出し
そこからたくさんの新しい女王蟻がうまれて、また新しい
王国を創ってゆく。そうして歴史が繰り返されてゆく。
縮図だなあ・・・