タンザニアのある狩猟民族。
究極のものをもたない生活。
布団も家具もない。あるのは小さな鍋のようなもの。
弓と矢と。少しの着替え。
一枚の布にくるんで運べるほどの荷物。
畑も家畜も持たない。所有という概念がない。
暦もない。年齢もない。時間の概念もない。
明日を思い煩うこともない。今日という日があるだけ。
朝が来たら狩りにゆく。
今日の糧はきょう手に入れ、
蓄えることもしない。
男たちは力を合わせ狩りをする。
リーダーもボスもいない。
経験のあるものが若いものにやり方を教えるだけ。
女たちは木の実を集め、薪をひろい、
煮炊きをする。子どもを育て、
おしゃべりをして男たちの帰りを待つ。
獲物が少なくなると、住処を変える。
一年に六回移ることもある。
のもつは身軽なほうがいい
貨幣や財産という概念がない
優劣も誰かと比べる必要もない。
物欲も支配欲もないから、すべてはまるくおさまる
強いものは弱いものを守り、
食べ物を分け与え、結果として
群れとしての仲間を守っている。
大切なものは何だろう。
幸せってなんだろう。
人間ってなんだろ?